■オズマ大統領「Yes,you could(あなたはできた)」

 最後は前述したオズマ大統領の一言だ。オズマは勇次郎と歴代大統領の仕事のひとつとして、友好条約を結ぶことになる。そして、学生時代から勇次郎に憧れていたというオズマ大統領は、その後、勇次郎にあるお願いをしていた。それは炭素に10万気圧の圧力を加えることでダイヤモンドに変化する化学変化を、“核より強力”だという勇次郎の握力によって可能かどうか確かめたいというもの。

 勇次郎は、その提案になんの躊躇もなく石炭をひと握り。石炭を握ったままガラスのテーブルに拳の先を当てると、まるでダイヤでカットしたように真っ二つに斬ってしまう。「あいにく人工ダイヤだがな」と話す勇次郎だが、どうやったらガラスのテーブルが切れるのか理解できない。

 後にオズマがこのときの石炭の粉末を小瓶に持ち歩いており、勇次郎は、石炭を握りしめてのダイヤの生成はできなかったと推測できる。その代わりに拳の切れ味を披露したのだ。だからオズマもダイヤに匹敵する拳ということで、「Yes,you could(あなたはできた)」と表現したのだ。

 以上3つのエピソードを振り返ったが、日本やアメリカのトップの人間のセリフからも、範馬勇次郎の力は国家に匹敵するということが分かる。勇次郎にはこれからも、世界を相手に戦う姿を見せてほしい。

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