■謎の派手なグフ 「マ・クベ大佐専用グフ」
本編には登場しないながらもプラモデル企画『機動戦士ガンダム ＭＳＶ』で描かれ、異様な佇まいで映像化を期待してしまうのが、「マ・クベ大佐専用グフ」だ。その名の通り、キシリア直属の配下である、突撃機動軍のマ・クベ大佐専用のグフである。
最大の特徴は、そのビジュアル。水色と紺のツートンカラーをベースに、ピンポイントで様々な意匠によって装飾されている。頭部のブレードアンテナも、西洋甲冑のようで良いアクセントだ。全体的に施されている金色のエングレービングも華々しく、デザイン性の高いグフである。
しかし残念なことに、詳細が判明しているのは見た目だけなのである。アニメやゲームを含めて、このマ・クベ大佐専用グフが映像化された作品は無い、謎が多いモビルスーツである。
資料集『ＭＳ図鑑 ジオン公国軍のモビルスーツ』（双葉社）によると、この機体のマクベの搭乗記録や戦闘記録などは残されておらず、「プロパガンダを目的とした儀仗用や式典用として製造された非戦闘用という説がある」と書かれている。詳細は闇に包まれているが、壺などの骨董品収集が趣味であるマ・クベの専用機であることから、観賞を主目的として作られていても不思議ではないだろう。
上記の他にも「荒野の迅雷 ヴィッシュ・ドナヒュー」、「青い虎サイラス・ロック」など、グフを愛用している二つ名を持つエースパイロットは少なくない。ザクの後継機として充分以上の成果を出したモビルスーツであろう。
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