「グフの日」に振り返る、ザクとは違うあなたの知らない「グフの世界」…ド派手なマ・クベ専用機も!?の画像
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』第5巻より(KADOKAWA)
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 1979年のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』の放送から、現在まで多くのシリーズが作られてきたガンダムシリーズ。同作に登場するモビルスーツはいずれも魅力的なものばかりだが、9月2日は「9(グ)」と「2(フ)」の語呂合わせから「グフの日」とされているらしい。

 ザクを超える新型機として登場したグフは、ザクやドムと比べるとバリエーションが少ないものの、『機動戦士ガンダム』の印象的な敵役で、後年の作品にも出続けている機体。今回はそんな、いぶし銀なグフの、魅力的な世界を見ていきたい。

■最初にして至高のグフ

 まずは一番オーソドックスなタイプ。第1作『機動戦士ガンダム』で初登場した「グフ」だ。陸戦型ザクIIの後継機として開発されたグフだが、陸戦型ザクIIには無いさまざまな機能が搭載されている。

 最大の特徴かつ、利点であるヒート・ロッドは、いわば電磁鞭で、パイロットに直接電撃ダメージを与えることも可能。装甲の材質によっては、モビルスーツの頑丈さを無視できるというのは、武器として相当に優秀である。

 そんなグフの腕部は、換装で標準的なマニピュレーターにすることもできる。よって、ヒート・ロッドや5連装フィンガーバルカンが適していない戦場の場合、より適した武装にすることができるのだ。

『機動戦士ガンダム』の作中では、ザク・マシンガンを装備した機体や、ジャイアント・バズを装備した機体を見ることができる。接近戦特化の武装が標準なものの、時と場合によって、単純に陸戦型ザクIIの上位互換機としても使うことができるのだ。

 他には、アムロとの一騎討ちの際に、瞬時に計算された戦闘予測情報らしきものがモニタに表示される描写があり、こうした機能もザクには無い。『機動戦士ガンダム』の作中では、ランバ・ラル機がガンダムのビーム・ライフルを予想し、動いているように見えないほどに最小限の動きで攻撃を避けている。その様子からかなり正確な予測がされていると思われる。ラルのような歴戦のエースパイロットは勿論だが、経験の浅いパイロットにとっては、大きな助けとなるだろう。

 これらの機能のおかげか、単純なスペックは、ザクに比べて5%向上しただけなのに、30%の性能向上を感じている兵士もいた。加えて、アムロはグフに「シャア専用ザク」の20%増しのスペックを設定してシミュレーションを行っていた。単純なスペック以上の性能向上を成功させた、いろいろな意味で「ザクとは違う」モビルスーツなのだ。

■グフの完成系、グフ・カスタム

 オーソドックスな兵装のグフでガンダムと戦ったランバ・ラル。それに次いで有名なグフ乗りのパイロットは『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場したノリス・パッカードだろう。そのノリスが乗るのは「MS-07B-3 グフ・カスタム」だ。

 グフ・カスタムは、グフを再評価、再設計した、少数生産のグフ。汎用性や整備性で問題のあった5連装フィンガーバルカン搭載の腕部は通常のマニピュレーターに改修されている。

 その代わりに、グフ・カスタムの特徴的な武装である、シールド一体化の機関砲「ガトリング・シールド」を装備することとなった。これにより、汎用性、射程、装弾数が向上している。ガトリング・シールドはパージも可能なので、戦局に応じてフレキシブルに取り回すことができ、状況対応力も向上した。

 ヒート・ロッドについても、溶断機能を廃して放電機能のみに特化されている。これによって射程が伸び、発熱させる時間を必要としなくなった。

 グフを様々な見直しにより、短期間でブラッシュアップ。完成系を提示したグフカスタム。こちらも名機である。

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