「雨が池」や「装甲惑星」の名エピソードも…『銀河鉄道999』人類が絶対に住めそうにない惑星3選の画像
銀河鉄道999 [Blu-ray](東映アニメーション・東映ビデオ)/(C)松本零士・東映アニメーション

 数々のSF漫画作品のなかで、松本零士さんの『銀河鉄道999』はいまなお多くのファンを持つ不朽の名作として語り継がれている。主人公・星野鉄郎が数々の惑星を訪れるが、なかには我々人間が住むにはあまりにも難がある星も数多く登場した。そこで、人類が絶対に住めそうにないとんでもない惑星について見ていこう。

■終わることのないじめじめ感…「雨が池」

 水は人類が生きていくためには必要不可欠なものだが、一方で行きすぎた降雨は水害をもたらし、我々から多くの物を奪っていく。無論、人間は水中で呼吸もできないため、大量の水が支配する空間で暮らしていくことはなかなかに難しい。

 コミックス10巻「喰命聖女」のエピソードで登場した「雨が池」は、とにかく雨が降り続ける惑星だ。降水確率はなんと年間の99%と、とんでもない星である。

 雨が池は常にじめじめとした湿気に覆われており、その影響から苔が大繁殖してしまっている。鉄郎とメーテルは宿に泊まることにしたものの、部屋も雨漏りがひどく、二人とも思わず唖然とするしかなかった。

 水に困ることはないとはいえ、晴れた日が年間通してわずか1%しかないというのは、なんとも極端な惑星である。降雨による水害も多く、作中では鉄郎らも洪水の被害に巻き込まれていた。

 なんとか暮らしていくことはできたとしても、毎日降り注ぐ雨と湿気に苦しめられ、ときに水害で命の危機にさらされるというのは、願わくばごめんこうむりたいものである。なにより年がら年中、“梅雨”のようなじめじめ感に晒され続けるのは、メンタルにも良くないだろう。

 “過ぎたるはなお及ばざるがごとし”という言葉を考えさせられてしまう、なんとも極端な惑星である。

 ちなみに作中、鉄郎らはクーフレームという女性と出会うのだが、漫画版とアニメ版では彼女の設定が大幅に変わっており、「雨が池」でのエピソードもかなり改変されている。漫画版ではクーフレームは機械化人だが、アニメでは生身の人間で、惑星の住人を虐殺する“魔女”として描かれていた。

■人も機械も自然法則まで“ルーズ”…「ルーズゾーン」

 どれだけ自分を律しようとも、時折どうしても怠けたくなるのが人間の“さが”というものだ。コミックス第11巻「ルーズゾーンの妖怪」では、まさに“怠惰”に包まれた奇妙な星が登場している。

 鉄郎らはタイトルにも使われている惑星「ルーズゾーン」へとたどり着くのだが、その名前が示すように、この星に来た者はなぜか“ルーズ”になってしまうという不思議な特性を持っていた。人間はもちろん、この力は機械にまで作用することから、銀河鉄道自体もその影響を受けてしまう。

 ルーズゾーンはもともと“ルーズでお気楽な場所”だったのだが、現在では惑星を大量のゴミが覆い尽くしてしまっており、住民たちは惑星を捨ててどこかに行ってしまったようである。

 この星も原作とアニメ版では大きく扱いが異なっており、アニメ版では惑星自体の形が十字の環を持つように変更され、かつエピソードも星の内情だけではなく、ずさんな工事で作られてしまった“列車の軌道トンネル”についても言及されている。また、アニメ版ではゴミの妖怪が登場する点も、大きな変更点の一つだろう。

 ゴミを処分すれば住めるようにも思えるが、どちらにせよ“ルーズ”になる影響でそもそもまともに清掃作業が成り立つのかも怪しい。ゆるやかに、マイペースに……といえば聞こえはいいが、何から何までいい加減極まりないとんでもない惑星といえるだろう。

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