２０２２年１２月３日に上映を開始した映画『ＴＨＥ ＦＩＲＳＴ ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』も、２０２３年８月３１日をもってついに公開終了。２５日から３１日までの間は「ラストゲーム」と称して、さまざまな特別上映が実施される。
東映によると８月２１日までに累計興行収入１５３億円を記録したという『ＴＨＥ ＦＩＲＳＴ ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』。邦画史に残る記録となったが、そこで気になるのは続編の制作だろう。
■スラダンファンが「続編」に期待してしまうワケ
当時から話題になっていたが、タイトルに「ＦＩＲＳＴ」と銘打たれているからには「ＳＥＣＯＮＤ」の公開にも期待してしまうもの。本作のタイトルが「ＦＩＲＳＴ」で、主人公が「宮城リョータ」だったことで、その可能性がゼロではないと考えるファンは少なくない。
というのも、バスケでは背番号とは別にポジションを番号で呼ぶことがあり、普段は「７」の背番号をつけている宮城が務めるＰＧ（ポイントガード）の番号は「１番」なのだ。
「２番」はＳＧ（シューティングガード）、「３番」はＳＦ（スモールフォワード）、「４番」は（パワーフォワード）、「５番」は（センター）。つまり、湘北メンバーそれぞれのポジションと映画のタイトルを紐づけ、全員が主人公を持ち回るのではないかという予想が立てられる。
そこで、今回は湘北メンバーのポジションと番号を確認しながら、それぞれが活躍した試合を振り返っていきたい。今回の映画の大ヒットを受けて、山王戦以外の名試合の数々が、新しくアニメーションとして蘇る可能性もあるのではないだろうか。
■2番SG・三井寿！相手の高さを崩した3Pシュート
湘北チームにおけるポジション「２番」のＳＧは三井寿。中学時代にＭＶＰを獲得したほどの実力者で、３Ｐシュートを得意とする。
三井が活躍した試合といえば、インターハイ県予選で戦った翔陽高校だろう。翔陽高校バスケ部には１９０ｃｍ台の選手が４人在籍し、県内随一の高さを誇っている。インサイド主体で攻めると不利なため、アウトサイドシュートを得意とする三井が欠かせないわけだ。
前半の活躍こそ少なかったものの、後半のバテバテな状態から気持ちの高鳴りを感じ、驚異的な活躍を見せる。フリースローを含めて４本連続の３点プレーを見せつけ、高さの不利をものともしなかった。
スタミナが切れて途中交代してしまうが、得点数は２０点で、うち３Ｐシュートが１５点。最終的な湘北の得点が６２点だったため、３分の１は三井ひとりが稼いだことになる。ぜひ劇場で、怒濤の連続３Ｐシュートを観てみたい。
■3番SF・流川楓！ライバルとの1on1で爆発的攻撃力を発揮
主人公・桜木花道のライバルキャラとしても描かれる流川楓が、ポジション「３番」のＳＦを務める。流川は１年生でありながら神奈川県ベスト５に選ばれ、湘北のエースとして活躍する。
流川が活躍する試合は多いが、個人的には仙道との対決を描いたインターハイ県予選決勝リーグでの陵南戦を推したい。流川は仙道との対決を経て成長し、山王エース沢北とも渡り合えたと思うので、この戦いは流川にとって大きな分岐点のひとつだったのではないだろうか。
作中で、前半は活躍しない。その理由は後半にすべてを懸け、仙道との対決を制すつもりでいたから。この１ｏｎ１は終始描かれることとなるが、明らかに無茶なシーンでもシュートを決めていく爆発的な攻撃力は圧巻の一言。
原作で過去はほとんど語られていないので、新たに掘り下げられるとおもしろそうだ。
■4番PF・桜木花道！合宿シュートとリバウンドでインターハイ初勝利を掴む
「４番」のポジションであるＰＦは桜木花道。原作の主人公で、バスケ初心者でありながら身体能力の高さから大活躍する。
今回はインターハイ初戦の豊玉戦をピックアップ。ただし、桜木の名試合をピックアップするのは、非常に悩むところ。豊玉戦を選んだのも、ほかのメンバーと被らないようにしたからで、消去法に近い。とはいえそもそも原作の主人公のため、すべての試合で活躍しているのは言うまでもない。
豊玉高校は選手や応援団もガラが悪く、ラフプレイも多い問題児集団だ。原作では豊玉側のドラマも強く描かれるが、合宿で習得したジャンプシュートの初披露や後半のリバウンド合戦など、桜木の活躍も多い。
桜木も元不良のため、過去の出来事とうまくからめたストーリー展開にすると、より楽しめそう。
■5番C・赤木剛憲！ 1年生のころから夢見た舞台
湘北の大黒柱でキャプテンの赤木剛憲が「５番」Ｃを務める。赤木は県内屈指のＣでありながら、チームメンバーに恵まれずにいた。そして３年生にして、ついに頼れるメンバーと全国制覇への夢に向かって進んでいる。
赤木が活躍する試合として印象に残っているのは、インターハイ県予選決勝リーグの海南戦。赤木は１年生のときから、インターハイ出場の切符をかけて海南と戦うことを毎晩思い描いていたという。実際、その思いの強さは試合の活躍にも表れ、神奈川Ｎｏ.１プレイヤーの牧紳一をして「オレが敵のプレイヤーを尊敬するのは初めてだぜ」と言わしめるほどだ。
途中でケガをするアクシデントに見舞われるが、ケガをおして夢を叶えに戦う姿は感動もの。陵南・魚住や山王・河田との対決も観てみたいが、やはり赤木の大黒柱ぶりをみられるのは海南戦ではないだろうか。ぜひともスクリーンで観てみたいものだ。
今回ピックアップした試合は、いずれも見応えがある試合ばかり。ぜひ劇場で楽しみたいところ。今回は被らないように試合をピックアップしたが、メンバーそれぞれの視点から描かれる山王戦というのも見てみたい。今後の『スラムダンク』の動きはわからないが、ファンとして続編をいつまでも楽しみに待ちたい。
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