『ジャンケンマン』に『山のぼりゲーム』…子どものころ駄菓子屋で遊んだ懐かしの「ゲーム筐体」の画像
photoAC

 子どものころ、近くの駄菓子屋やショッピングセンターのゲーム広場に行くと、硬貨やメダルを使って遊ぶゲーム筐体が並んでいた。小さいながらにギャンブル心をくすぐられ、幾度となく戦いを挑み、泣かされた思い出がある。令和の今でも、スーパー銭湯のゲームコーナーなどで見かけては、なんだか懐かしい気持ちになる。そこで今回は、子どものころ駄菓子屋で遊んだゲーム筐体を紹介していきたい。

■中毒性のあるゲーム機だった『ジャンケンマン』

 まずは、1985年にサンワイズから発売されたメダルゲーム『ジャンケンマン』だ。

 駄菓子屋やショッピングセンターのゲームコーナーに置かれていることが多く、筆者の地元では、おもちゃ屋の前にこのゲーム筐体があったことを覚えている。「じゃんけんぽん! ズコッ!」と聞こえてくると、自然とこのゲーム機の前に引き寄せられていた。

 ゲーム自体はいたってシンプルで、ゲーム筐体とジャンケン対決をするという内容だ。

 プレイヤーは硬貨かメダルを投入し、ジャンケンの掛け声とともに「グー、チョキ、パー」の3ついずれかのボタンを押すだけ。勝つと2枚から最大32枚のメダルがもらえるが、負けると何ももらえずにゲームオーバーとなる。

 ちょっとしたギャンブル要素もあり、なんとも中毒性のあるゲームだった。勝つと「やっぴー」、負けると「ズコー」という音声も懐かしい。

 好評を受けて、その後『ジャンケンマン フィーバー』『ジャンケンマン ジャックポッド』『ジャンケンマン7』など、続編まで作られている超定番筐体だ。

■シンプルながら一筋縄ではいかなかった『新幹線ゲーム』

 次に紹介するのは、1976年にニシキ製作所から発売された『新幹線ゲーム』だ。

 筆者は現在40代なのだが、子どもの頃すでに「これは古いゲーム機だ」という認識だった。硬貨の投入口やレバーなどが、テッカテカに使い込まれていたのを覚えている。

 ゲームの内容は、上部から投入した10円玉をバネではじき、最下部のゴールまで導くというもの。強くはじき過ぎたり、逆に弱すぎると10円玉が途中の落とし穴にはまってしまい、ゲームオーバーとなる。無事、最下部のゴールまで行くと当たり券がもらえて、店それぞれの景品と交換してもらえるという仕組みだった。

 シンプルでありながら、バネの繊細な弾き方のスキルを必要とする、一筋縄ではいかない難しいゲームである。友だちのなかに必ず1人は「コレ系上手い」という自称“達人”がいたものだが、まずゴールまでたどり着いているのを見たことがない。

 ゲーム筐体の中身はバネと重りで動いており、電気機器がいっさい使われていないシンプルなものだった。駄菓子屋のおばあちゃんでも、メンテナンスがしやすかったようだ。

 続編では『新幹線ゲームII』や、東北新幹線・上越新幹線をモチーフにした『やまびこ』などが発売されており、こちらも人気の筐体だった。

■60秒で頂上を目指せ! スリル満点の『山のぼりゲーム』

 最後は、1981年にこやまより発売された『山のぼりゲーム』。その名の通り「山登り」をテーマにしたゲームで、筆者の地元では、ショッピングセンター屋上のゲーム広場に置いてあった。なかなか大きな筐体で、しかもピカピカと常にランプが点灯しているので、ゲーム広場でもなかなかの存在感を放っていた。

 ゲームの内容としては、前進ボタンと後退ボタンを駆使し、60秒間でゴールである山頂までたどり着くというもの。途中、壊れる橋、ハチやヘビ、落雷など数多くのトラップがあり、それらを上手に避けながら進まなければならず、なかなかのスリルが味わえた。

 攻略としては、ボタンを押すタイミングとスピードが重要で、最終的にはここ一番の勢いも求められるゲームだ。そして、無事ゴールの山頂までたどり着くと景品がもらえる。

 続編に『対抗やまのぼり競争』という、2人用のものが作られている。さらには、2011年に、当時の筐体を忠実に再現した復刻版も発売されるなど、現在でも非常にファンの多いゲーム筐体だ。

 

 今回は、子どものころ駄菓子屋で遊んだゲーム筐体を3つ紹介してきた。いずれも、子どもの頃たくさん遊んで、同時に痛い目にもあわされた思い出のゲーム筐体だ。

 大人になりこの筐体たちとも出会う機会は減ってしまったが、時折、スーパー銭湯などのゲームコーナーでまだまだ現役で頑張っている姿を見かけると嬉しい気持ちになる。みなさんも見かけた際にはぜひ硬貨を投入し、少しの間、童心に戻ってみてはどうだろうか。

  1. 1
  2. 2