『ベルセルク』のガッツが振るう「ドラゴンころし」しかり、『BLEACH』の一護の「斬月」しかり、主人公が構える特大剣は魅力的だ。
そして『ガンダム』シリーズで剣と言えばもちろんビームサーベル。手のひらより少し長い持ち手から発生するビーム刃はあらゆるものを切り裂く最強の近接武器のひとつ……なのだが、歴代の『ガンダム』作品にも、ビームサーベルを通り越してもはやただの極太ビーム砲としか思えないような超巨大なものもある。
今回は、そんなロマンあふれる最強のビームサーベルを3振り紹介したい。
■太すぎてちゃんと持ててない…?
まずはよく見ると持ち手が手に収まっていないZZ(ダブルゼータ)ガンダムの「ハイパー・ビーム・サーベル」だ。
『機動戦士ガンダムZZ』に登場するZZガンダムは、モビルスーツ(以下、MS)のハイパワー、ハイスピードの恐竜的進化時代に対抗するため、主人公機としては珍しい大型の機体となっている。
武装には、コロニーレーザーの20%の威力を持つと言われるハイ・メガ・キャノンを搭載。またエンジンも戦艦並みの出力を誇る化け物MSなのだが、当然ビームサーベルも通常のものではない。普通のMSのビームサーベルの50%増しのビーム刃でMS程の隕石をぶった切り、ジュドー・アーシタの怒りによって威力増幅した効果で、あのサイコ・ガンダムMK-IIすらも一発で撃破した。
ちなみにこのハイパー・ビーム・サーベルはダブル・キャノン時にはジェネレーター直結型のビーム砲として使うことも可能で、その場合の威力はZZのダブル・ビーム・ライフルと同等、つまりは百式のメガ・バズーカ・ランチャーに匹敵するレベルなのだ。
通常のMSを相手にするには明らかにオーバースペックだが、化け物MSがそろったZZ時代では、このぐらいのビームサーベルを持っていないと敵わなかったのかもしれない。
■どこまでも伸びる超ロングビームソード!
続いては『新機動戦記ガンダムW』に登場した、騎士道精神の権化といえるガンダムエピオンが右腰に装着した「ビームソード」だ。
この機体は、トレーズ・クシュリナーダが極秘裏に開発したMSで、ウイングガンダムゼロと同様にZEROシステムを搭載しており性能面でも引けを取らない。
だが、ウイングガンダムゼロとは違い、エピオンの武装はビームソードとシールド内蔵のヒートロッドのみという潔さ。銃火器ゼロという、ガンダム世界では無謀な構成だが、開発したトレーズ本人が「その機体(エピオン)に乗って勝者となってはならない」と発言している辺り、ある種ロマン前提の機体といえるのかもしれない。
そのエピオンの最大最強の武装が、ビームソード。本体ジェネレータと直結しているため、ジェネレーター出力を上げてビーム刃を伸ばすことも可能で、規格外の破壊力を持ち、作中では宇宙要塞バルジを一刀両断する離れ業をやってのけた。
筆者が初めてバルジ両断シーンを見たときは、あまりの破壊力に銃火器ゼロの構成を強く納得したのを覚えている。
余談だが、エピオンのビームソードは右側のサイドスカートからジェネレーターと有線で直結している都合上、右手で持たないと真価を発揮できない。MSなのに利き手の設定がある、ちょっと面白いガンダムだ。
■全長1万キロ!? 歴代最長ビームサーベルはコイツだ!
最後は、厳密にはビームサーベルというよりも技とも言える、『機動戦士ガンダム00』でダブルオーライザーが披露した「ライザーソード」だ。スーパーヒーローの必殺技のような名前だが、その規模、そして破壊力はビームサーベルというより、コロニーレーザーのほうが近い。
ダブルオーガンダムと、その支援機オーライザー、それにトランザムとライザーシステムの2つを起動・作動と、使用のための条件は多いが、それに見合う超性能を持っている。
まずはなんと言っても凄まじいのはその全長で、ライザーソードは何と1万キロメートルにも及ぶとか……。近くで見たらただの砲撃としか思えないであろうライザーソードは破壊力も尋常ではなく、戦艦や衛星兵器も豆腐のように切り裂く。MSに至っては太すぎるビーム刃によって蒸発してしまった。
ただその絶大な威力の代償として、一度使うだけでエネルギー切れを起こし機体がダウンしてしまうという欠点があったが、後にGNソードIIIで威力を抑えて使用することで克服。それでも戦艦を真っ二つにする破壊力を持っていた驚きの技だ。
先ほどのエピオンと同等かそれ以上の力を持つ『ガンダム』シリーズ最強のビームサーベルと言えるだろう。
以上3体を振り返ったが、どれもこれもロマンあふれるビームサーベルで、作中でも遺憾なく実力を発揮しているものばかりだ。他にはシャイニングガンダムの「シャイニング・フィンガー・ソード」やV2ガンダムの「光の翼」など、ビームサーベルについては意外と多彩な武装(技?)が多く、戦闘・演出を盛り上げてくれるものぞろいだ。