超名作RPGの『ドラゴンクエスト』シリーズでは、さまざまな移動手段の乗り物が登場する。瞬間移動の呪文「ルーラ」は限られた場所にしか行けないので、乗り物での自由な移動は冒険の幅を広げたものだ。初代「ドラクエ」では徒歩しかなかったが、以降のシリーズでは定番ともなった乗り物たち。そこで、はじめて手にしたときに感動したシリーズ定番の乗り物を振り返ってみよう。
■違う大陸へ移動できるなんて…まさに冒険でドキドキした『ドラクエ2』の船
ファミコン版やリメイク版にかかわらず、初代『ドラクエ』をプレイしたのちに『ドラクエ2』に入った場合、「船」を手に入れたときは感動したものだろう。初代では陸を歩くことしかできなかったのだが、『ドラクエ2』では船で違う大陸へ移動することができる。
今では当たり前なのだが、ファミコン版をプレイしていた側からすると、当時は凄まじく感動したものだ。港町であるルプガナの町で船を手に入れて、すぐ隣の大陸を訪れると、ここが初代ドラクエの舞台となったアレフガルドなのだから。
懐かしのBGMに心躍った人も多いだろう。これからどんな冒険が待ち構えているのかと、興奮したものだった。船は以降のシリーズでも定番の乗り物となり、大海をまたにかける『ドラクエ3』でも、船を手に入れてから一気に世界が広がるのでワクワクした。だが、『ドラクエ2』で船を初めて手にしたときの感動を超えるほどではなかったのだが。
初代では想像できなかった“冒険の仲間を揃えて旅立つ”という図式がはじめて成り立ったのが『ドラクエ2』だから、余計に感動ものだったのかもしれない。
■仲間を5人以上連れていける! 誰を前線に出すか悩んだ『ドラクエ4』の馬車
天空シリーズ(『ドラクエ4・5・6』)では多くの仲間を集めて冒険を進めていくが、戦闘シーンでは最大4人パーティー(スーパーファミコン版5のみ3人)までとなっている。そこで、移動中や戦闘中に仲間を待機させておけるのが『ドラクエ4』で登場した「馬車」だ。
オムニバス形式の『ドラクエ4』では第5章で馬車を手に入れることができ、アリーナ一行を仲間にしたときには7名となっているので(NPCのホフマンを除く)、誰を前線に出すのか悩んだものだった。もちろん、ライアンが加入するころには、トルネコが第一に候補から外れるのだが……。
馬車で休憩しているのだから、自然と体力を回復してほしいと当時から思っていた。筆者の場合、装備品が軟弱だったブライなんてずっと馬車にいた記憶があるのだが、おじいちゃんだから仕方ないと割り切っていたもの。
馬車の利点は仲間を引き連れていけるところだが、ダンジョンの大きさによっては入れないこともあるので注意が必要ともいえたな。ただ、シリーズによっては、ダンジョンの外にいる馬車のメンバーが回復呪文を使えるという便利なこともあった。
『ドラクエ』をナンバリング順にプレイしていた側からすると、道中も最大4人パーティーだった『ドラクエ3』に対して、『ドラクエ4』から馬車で仲間をまとめて連れていけるようになり、かなり嬉しかったものだ。
■船が不要になった! 地形の制限あるも高速移動ができて大陸調査に燃えた『ドラクエ5』のまほうのじゅうたん
最後は『ドラクエ5』で初登場となった「まほうのじゅうたん」だ。エルヘブンでは「まほうのカギ」も手に入れることができるので、ワクワク感が半端なかったな。
文字通り、魔力の込められた絨毯で、フィールド上で広げると敵に遭遇することもなく高速移動できる。平地や海、浅瀬は飛び越えることができるものの、森や山は越えることができない。
それでも、船で移動しなくていいし、持ち物なので持ち運べる点が魅力だった。『ドラクエ5・6・7』の定番乗り物ではあるが、ある程度ストーリーが進んだ状態でないと手に入れられないため、はじめて手にしたときは非常に嬉しかったな。
新たに行ける場所がそれほどないとしても、船で行くと面倒な場所もあるし、ストーリー上で訪れなくていい村やほこらにも気軽に行けるので、大陸調査ではかなり重宝した。
また、まほうのじゅうたんでの移動中は、BGMが専用の軽快なものに変わるのも良かったな。
さて、ドラクエシリーズには乗り物が多くあるが、定番といえばここで紹介した3選がメインとなるのではないだろうか。キラーパンサーなど、今後も定番となりそうな乗り物もあるのだが、冒険気分を味わえる船と馬車、まほうのじゅうたんは別格といえるだろうな。