『ジョジョ』や『干物妹！うまるちゃん』にも…漫画に登場する「最強ゲーマーキャラ」のすごすぎエピソード

　ＲＰＧやアクションなどのゲームは老若男女を問わず、人気の高い娯楽だ。「ゲームがうまい」という理由でクラスの人気者になる子どももいれば、ゲームが好きすぎてやりこみプレイを極める大人もいる。日本人にとって、ゲームはとても身近な存在といえるだろう。

　同じく日本人になじみ深い漫画にも、ゲームを楽しむキャラが多く登場する。今回はそのなかでも、ゲームのうまさで読者を驚かせた最強ゲーマーキャラを紹介したい。

■スタンドを使わない方が厄介？ 『ジョジョの奇妙な冒険』テレンス・Ｔ・ダービー

　まずは、荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』（集英社）から、ゲームで主人公を追い詰めたキャラを取りあげよう。第３部で登場したテレンス・Ｔ・ダービーだ。

　テレンスは勝負に敗北した者の魂を人形に封じるスタンド「アトゥム神」を武器に、主人公・空条承太郎たちにＴＶゲーム勝負を挑む。「アトゥム神」の能力は、相手の魂に“ＹＥＳかＮＯか”など２択で答えられる質問を問いかけ、正直に答えさせるというもの。この力を使って勝負を有利に進めるのが、テレンスの戦闘スタイルだ。

「読心能力があるならＴＶゲームの腕前は関係ないのでは……？」と思うかもしれないが、スタンドを使わずともゲームの達人なのがテレンスのすごいところ。とくにレースゲーム対決では、真っ暗な画面で正確なコーナリングを決めるなど、卓越したテクニックで対戦相手の花京院を制した。この対決で「アトゥム神」を使用した描写はなく、純粋なゲームの腕で勝利を掴んだテレンス。敵ながらあっぱれである。

　続く野球ゲーム対決でも、テレンスはゲーム初心者の承太郎を圧倒する。しかし最後は「アトゥム神」による読心能力を逆手に取られ、あえなく敗北……。実力で完全に上回っていたのだから、スタンドを使わず正々堂々と戦ったほうがよかったのかもしれない。

■ゲーセン泣かせの天才ゲーマー『干物妹！うまるちゃん』ＵＭＲ（うまる）

　次は、サンカクヘッド氏による『干物妹！うまるちゃん』（集英社）から、主人公の土間埋（どまうまる）を紹介しよう。本作は２０１３年から２０１７年にかけて『週刊ヤングジャンプ』で連載され、２度のアニメ化で人気を博したコメディ漫画だ。

　学校では完璧な優等生の「美妹（びもうと」、家ではぐうたらな生活態度で兄を困らせる「干物妹（ひもうと）」として人生をエンジョイする主人公・うまる。遊びが大好きなうまるはゲームにも目がなく、近所のゲームセンターでは「天才ゲーマーＵＭＲ」の異名で恐れられるゲーム上級者だ。格ゲーから音ゲーまで、あらゆるジャンルでランキングを独占するオールラウンドっぷりは、まさに天才の名にふさわしい。

　とくにＵＦＯキャッチャーは「一発でクレーンゲームの景品を奪いつくす」と言われるほど。原作第１２話では「タグひっかけ」「ぶっ刺し」といった高度なテクニックでぬいぐるみをゲットしまくるＵＭＲの活躍が見られる。自宅で大量の戦利品に囲まれたうまるがぐっすり眠るオチがなんともかわいらしかった。

　天才ゲーマーＵＭＲのＵＦＯキャッチャーテクは現実のゲーセンでも通用するのか、少し気になるところだ。

■ギャルゲー６本同時攻略もこなす”落とし神”『神のみぞ知るセカイ』桂木桂馬

　ヒロインの好感度を上げて恋人になるギャルゲーにも、最強ゲーマーと呼ぶべき漫画キャラが存在する。それが若木民喜氏が手掛ける『神のみぞ知るセカイ』（小学館）の主人公・桂木桂馬だ。同好の士から「落とし神」の異名で崇められる、ギャルゲー特化の最強ゲーマーである。

　本作のコンセプトは、二次元の女の子をこよなく愛するギャルゲーマー・桂馬が、ギャルゲーの知識で現実のヒロインたちを落としまくるというもの。人の心のスキマに潜む「駆け魂」に取り憑かれた女の子を救うため、ゲームで見た設定やストーリーを活用する桂馬がなんとも小気味いい。

　一見、無茶に思える設定に強い説得力を与えているのが、桂馬のギャルゲーマーとしての能力である。印象的だったのが、多忙でギャルゲーを遊べなかった彼が６本同時攻略に挑むエピソードだ。

　６つのディスプレイを同時に見ながら超スピードで次々とギャルゲーをプレイし、ヒロインを落とす姿はまさに「落とし神」。しかも、それぞれのゲームにちゃんと感情移入して「さすがに泣いた」と感動を見せた姿には、もはや敬意すら抱いてしまう。

　ほかにもバグだらけでまともに進行できない「クソギャルゲー」も果敢にプレイするなど、心の底からギャルゲーを愛している桂馬。「悪いヒロインはいない!! 悪いゲームがあるだけだ!!」という彼のセリフは、読者の胸に刻まれている名言のひとつだ。

 

　以上、ゲームのうまさが特徴の最強ゲーマーキャラを紹介してきた。常識を超越したスーパープレイには、スポーツにもヒケをとらない感動が詰まっている。だからこそ、到底マネできないゲームテクニックを持つ漫画キャラに読者は魅せられ、夢中になるのかもしれない。