クリア後に見ると泣けるものも…名作の数だけあり!ゲームにつけられた「名キャッチコピー」たちの画像
画像は『ドラゴンクエスト5』『ロマンシングサ・ガ』『MOTHER2』『クロノ・トリガー』『ドラゴンクエスト6』ほか(編集部撮影)

  ゲームの魅力や内容を簡潔に伝えるために使われる「キャッチコピー」。最初はおおげさに見えるコピーと思いつつ遊んでみたら、妙に納得できたり、くすっと笑えたり、時にはその一文の意味を思い知り感動が倍増するようなものまで数々の名コピーがあった。

 今回は、そんなゲームの名キャッチコピーの数々を懐かしいものから、ゾッとするような怖いもの、プレイした後に振り返りたいものまでテーマごとにピックアップして紹介していきたい。

■インパクトも大!当時話題にもなった懐かしの名作キャッチコピーたち

 1989年のファミコン用RPG『MOTHER』のCMに使われた「エンディングまで、泣くんじゃない。」や、1995年のスーパーファミコン用シミュレーションRPG『タクティクスオウガ』の「僕にその手を汚せというのか」や、または2008年の『モンスターハンターポータブル 2nd G』の「ひと狩り行こうぜ」などなど、かつて遊んだゲームのコピーを今でも覚えているという人は多いはず。

 2023年6月に『ストリートファイター6』がリリースされ、また新たな格闘ゲームを生んでいる『ストリートファイター』シリーズ。90年代に大ブームを作った『ストリートファイター2』のキャッチコピーは「俺より強いやつに会いに行く」で、これが何よりゲームの雰囲気を的確にあらわしていた。

 もともとは主人公「リュウ」目線の信条や生き様を象徴する力強さあふれるフレーズなのだが、当時はゲームセンターで対戦格闘ゲームブームが起き、地元のゲーセンや大会などを経て出会いや勝負が頻繁に行われ始めた時代。90年代はもちろんオンライン対戦などという便利なものはなく、強いと噂されるプレイヤーを見るために電車などで遠くのゲーセンまではるばる訪れなければいけなかった。格ゲーというジャンルの基盤を作った『スト2』の、そしてあの頃のゲーセンの雰囲気が見事にハマった名コピーではないだろうか。

 また、ファミコンからスーパーファミコン、プレイステーション、ニンテンドー3DSなどプラットフォームを変えていきながらも話題になったタイトルでは、CMや雑誌などでキャッチコピーを目にする機会が多かった。

「“そこに隠し通路あるぞ” 新聞を読みながら教えてくれた親父は、昔 光の戦士だった。」

 これは2012年にPSP用に発売された『FINAL FANTASY III』リメイク版のコピー。発売当時、公式サイトでキャッチコピーの一般公募企画が行われ、「jaigamo」さんによるこのコピーは投票開始直後から大きな話題を集め、見事最優秀賞に輝いた。

 過去の『FFIII』をやったことのある人であればつい頷いてしまうような名コピーだ。

■思わずゾッとした!? 怖さを感じたキャッチコピー

『かまいたちの夜』の「あなたのせいで、死体が増える」や、『SIREN』の「どうあがいても、絶望。」など、ホラーゲームにも思わずゾッとするような名キャッチコピーは多い。

 今も世界中にファンが多い『バイオハザード』シリーズ。1996年発売の第1作『バイオハザード』に使われたコピーは、「そこを歩く、という恐怖。」というものだった。

 第一作のコピーは当時のアクション性やグラフィック表現なども相まってよく体現している。3Dポリゴンで表現されたゾンビの顔のアップから始まり、飛び出してくるゾンビや窓ガラスを破ってとびかかってくるケルベロス。心臓が止まるような思いで歩みを進め、恐る恐るドアを開け、思い通りに動かせない操作感も恐怖を増幅させた。

 そうした新時代のホラーゲームの醍醐味を約10文字強で表現しているのは名キャッチコピーと言えるだろう。

 変わり種では、2003年のPS2用アクションRPG『ドラッグオンドラグーン』に採用された「抗え。最後まで。」というキャッチコピーだ。あえて詳しくは述べないが、真のエンディングまでコンプリートしたプレイヤーだけが本当の意味を噛みしめることができる一文で、クリア後には多くのプレイヤーがなんともいえない感情を抱いたことだろう。

『NieR』シリーズの礎ともなったヨコオタロウ氏の描くシナリオと不条理なやりこみ要素の化学反応を体験する機会があれば是非、推しておきたい。

 ジャンルはそれぞれ異なるが、怖さという共通認識を様々な方法で伝えてくれるのがゲームならではの魅力だろう。

■思わず涙…クリア後に響く名キャッチコピー

 最後に、クリアしてみて思わずじんわりしたり、感慨深さを感じたりするタイトルを挙げたい。プレイする前は「どんな意味があるのだろうか」と思うようなキャッチだが、クリアして思い返してみると納得できるものといえば、『FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster』に採用された「僕は、また、泣けるだろうか。僕は、まだ、泣けるだろうか。」が印象深い。

 オリジナル版をプレイした方は当時の思い出をベースに、今のプレイスタイルなど多様化した環境の変化を感じながらも、またクリアまで遊んでみようという気にさせてくれる、リマスター版ならではのコピーだ。また初めてプレイする方には、興味を惹きながらプレイ~クリアへ誘う良コピーとして挙げておきたい。

 その他、『ワンダと巨像』の「最後の一撃は、せつない。」、『大神』の「この世の命が、蘇る。」、『METAL GEAR SOLID 3』の「任務は、最愛の人を殺すこと。」などクリア後にじんわり響くコピーは数多い。

 名作の数だけ名キャッチコピーもあり。是非プレイしてみて、そのキャッチコピーの真意を実感していただけると幸いだ。