『銀魂』星海坊主や『FAIRY TAIL』一夜も… 声優・速水奨さんが演じた「えっ!」と思うキャラ3選の画像
週刊少年マガジンコミックス『FAIRY TAIL』16巻(講談社)

 声優・速水奨さんといえば艶のある低音が魅力で、『BLEACH』の藍染惣右介に代表されるような、デキる大人の男性や敵の強キャラを多く演じている印象がある。しかし実は彼は、「いい声」を逆手に取ってコミカルでユニークなキャラクターも数多く演じてきた。

 そこで今回は、速水奨さんが演じた思わず「えっ!」と驚いたキャラ3選を紹介する。ダンディボイスを活かした怪演を見ていこう。

■『銀魂』星海坊主

 まずは、空知英秋さんによるSF人情なんちゃって時代劇コメディ『銀魂』から。アニメ版で速水奨さんは、万事屋メンバーである神楽の父親・星海坊主を演じている。

 星海坊主は宇宙最強種族とも呼ばれる夜兎族であり、宇宙で第一級危険生物の駆除をしてまわる「宇宙最強の掃除屋」として、作中無類の強さを誇っていた。そしてその強さとは裏腹に、バーコードハゲとちょび髭というコミカルな見た目をしているのも素敵なところ。(そのバーコードすらも寝ぼけた神楽にむしり喰われてしまい、最終的には完全なハゲになるが……)作者である空知さんの「バーコードなのに作中最強キャラってカッコいいんじゃね」という彼らしい発想から生まれただけあって、かなり濃いキャラだ。

 アニメ版では速水奨さんが、その星海坊主の作中トップクラスの強キャラ感と、バーコードハゲのおじさんが持つコミカルさと哀愁を見事に表現していた。特に初登場となるアニメ第40話「子作りは計画的に」での、娘・神楽を演じる釘宮理恵さんとの掛け合いは秀逸だ。ちょっととぼけた父娘の口論や戦闘民族・夜兎族が繰り広げる激しいバトルが見どころとなっていた。

■『焼きたて!!ジャぱん』マイスター霧崎

 続いて、橋口たかしさんの『焼きたて!!ジャぱん』で速水奨さんは、マイスター霧崎という仮面を付けた変わったパン職人の役を演じていた。

 本作は、世界に誇れる日本のパン「ジャぱん」を創ろうと奮闘する少年・東和馬の物語で、作中ではグルメ漫画とは思えないほど濃いキャラクターが数多く登場する。その中でもマイスター霧崎は異色の存在で、日本最大のパンチェーン店「パンタジア」青山本店の総支配人であり、唯一「マイスター」の称号を得たエリートパン職人。日本人とフランス人の血を引くイケメンである一方、人前に出ることを嫌っていて、いつも仮面を付けているというかなり変わった役どころだった。

 また霧崎は少し天然な部分を持ったキャラクターでもある。『焼きたて!!ジャぱん』はパンを食べた登場人物のリアクションが注目の作品だが、霧崎は仮面から鳥を出現させるという方法でパンのおいしさを評価。ペットのクジャクの“クーちゃん”をはじめとして、物理的に不可能では?と思うほど数々の鳥を仕込んでおり、速水奨さんの落ち着いたボイスが、マイスター霧崎という仮面を付けたイケメン天然キャラにも非常にマッチしていた。

■一夜=ヴァンダレイ=寿『FAIRY TAIL』

 最後に紹介するのは、真島ヒロさんの『FAIRY TAIL』から。速水奨さんは、一夜=ヴァンダレイ=寿という作中屈指の愛されキャラ(?)を演じている。

 一夜は、ほぼ二頭身でかなり濃い顔の「自称・イケメンキャラ」。スタイル抜群の美男美女が多い『FAIRY TAIL』という物語の中で、ギャグ要員としてかなり目立っている。アニメ版では速水奨さんの甘く色気がある声が加わることで、さらに見た目とのギャップが増し、抜群の存在感を持つキャラに仕上がっていた。

 特にアニメ第172話「君に捧げる香り(パルファム)」は、一夜が主役と言っていい回で、ギャグと戦闘での活躍の両面を楽しめる。終始ナルシストっぷりがコミカルに描かれていたが、戦闘シーンでは「力の香り」という香り魔法(パルファムマジック)を使い、通常小柄な肉体を何倍にも巨大化させて見事に勝利。このときの速水奨さんのパワフルな演技はまさに圧巻だった。

 

 今回は、速水奨さんが演じた「えっ!」と思うキャラ3選を紹介してきた。

 どの作品のキャラも非常に個性的で、一癖も二癖もあるキャラばかりである。しかしそこはさすがベテランで人気の声優。漫画にはない声の部分で、それぞれのキャラクターの魅力がよりいっそう引き出されているのは、速水奨さんの実力あってこそだろう。

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