アカギ、更木剣八、柴千春…力と恐怖を超越する「リスク度外視」天然“破滅型キャラ”たちの強さの画像
近代麻雀コミックス『アカギ-闇に降り立った天才』第36巻(竹書房)

 漫画やアニメのキャラはそれぞれ個性的だが、慎重型、破天荒型、無気力型など、変わった描かれ方をしているキャラこそ読者としては興味をそそられるもの。そんな中に、常に前しか見ずに突っ走る“暴走破滅型”とも言えるキャラがいる。

 作中の人物はおろか、読者にも彼らの思考を読むことはできず、だからこそ先の展開が気になってしまう。今回は、リスクなど全く考えることなく突っ走ってしまう「天然破滅型」のキャラを紹介していきたい。

■常に危険を求める、唯一無二の主人公

 まずは福本伸行氏による麻雀漫画『アカギ〜闇に降り立った天才〜』から。主人公のアカギは、『天 天和通りの快男児』(ともに竹書房)にも登場しており、そのカリスマ性から絶大な人気を誇るキャラ。その魅力とは、やはり常識に囚われない彼の生き方だろう。

 普通の人間はセオリーを大事にして安全策を取るが、アカギは誰もが選ばない道を平気で進んでしまうのだ。

 そのためアカギを嵌めようとするキャラたちは、見事に裏をかかれて敗北してしまう。しかもアカギがしている勝負は常に命懸け。そんな状況で、誰が危険な選択をするだろうか。読者の誰にも予想がつかない思考の持ち主なのだ。

 車のチキンレースではノーブレーキのまま崖から落下。生死を賭けた麻雀では相手の猛攻を抑えての5連勝。最終勝負の半荘では、劣勢のまま最後を迎えるも宿命の敵・鷲巣巌が途中で絶命したため生き残ってしまった(鷲巣はその後復活)。こんなことはアカギにしかできないが、それもすべては死をも恐れぬ生き方ゆえの強さだろう。

 まるで死にたがっているとも思えるほど、常に危険を求めて生きているアカギ。まさに唯一無二の主人公と言えるだろう。

■恐怖心を一切感じさせない更木剣八

 久保帯人氏による『BLEACH』(集英社)は、死神、虚、滅却師の三つ巴の戦いだ。「護廷十三隊」は尸魂界では絶対的な存在で、死神界のエリートのようなものだが、その中に更木剣八なる制御不能の男がいる。

 彼は戦いをいかに楽しむかを大事にしており、どんな状況でも絶対に怯まない。自らが死にそうな状況になっても、喜んでいるかのようにも見える怖すぎるキャラだ。

 剣八の剣術には技術というものはなく、ほとんどが力技。まるで技術なんてものは小細工に過ぎないといっているかのよう。そして、それを実証するかのように自分よりも大きな相手を次々に斬り殺している。何度斬りつけられても立ち上がり、恐怖心もないまま襲いかかる。相手からすれば彼ほど恐ろしい剣士もいないだろう。

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