『北斗の拳』や『NARUTO』にも… 漫画やアニメに登場する“勝つためには手段を選ばない”卑怯キャラ3選の画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳【究極版】』1巻(徳間書店)

 バトル漫画やアニメにしばしば登場する卑怯なキャラたち。正々堂々としたキャラばかりではないからこそ、どうやって攻略するのかに注目してしまう。そして卑怯ぶりが徹底されていればいるほど、倒しがいもあるというものだ。

 卑怯キャラには彼らなりの持ち味があり、王道ではないからこその意外性もある。そこで今回は、どんなことをしても勝てばいい!という姿勢を徹底している卑怯キャラを紹介していきたい。

■『北斗の拳』ジャギ

 原作:武論尊氏、作画:原哲夫氏による『北斗の拳』は、“力こそ正義”の時代のストーリー。どんなことをしても勝ちさえすれば良いのだ。そんな世界にはびこる雑魚キャラたちは、卑怯かつ非道で正々堂々と戦おうという気概の持ち主はほぼいない。

 もちろんボスキャラには、雑魚キャラとは違い武士道の精神を持つ者もいるが、何でもありを当たり前としているケースも少なくない。なかでもケンシロウの兄であるジャギは、北斗神拳伝承者候補とは思えないほど卑劣な人間だ。

 シンをそそのかしてケンシロウを襲わせたところからはじまり、小さな子どもにも酷い仕打ちをしてみせるジャギ。これにはケンシロウも「きさまには地獄すらなまぬるい!!」とブチギレており、絶対に殺すという気迫を感じさせるほどだった。

 実際にケンシロウとの戦いがはじまっても、ジャギの卑怯ぶりは止まらない。含み針や銃を使ったり、その場を火の海にしたりと、北斗神拳とは関係ない攻撃を次々と繰り出した。これには読者も「本当に北斗神拳伝承者候補なのか?」と目を疑うばかりだ。しかし、そんな小手先の攻撃がケンシロウに通用するはずもなく、すべてかわされたうえで怒涛の攻撃を食らって死んでしまう。

 結局はケンシロウ相手に善戦できずやられてしまったが、ジャギが読者に与えた印象はかなり大きい。北斗神拳を使う卑怯な性格や特徴的なヘルメットに加え、「おれの名をいってみろ!!」の決め台詞。40年経っても色褪せないキャラであることには違いない。

■『NARUTO-ナルト-』千手扉間

 岸本斉史氏による『NARUTO-ナルト-』は忍者の世界を舞台としており、卑怯なキャラも当然のように存在する。なかでも卑怯ということを貫き通しているキャラがいて、立場的にも意外と思われるのが二代目火影の千手扉間だ。彼は里を守るためなら手段を選ばない。

 それが分かるのが禁術の開発の数々で、扉間が考案した術によってその死後は大変なことになっている。そんな彼が開発した術のなかで、特に危険で外道とされるのが“穢土転生”だ。

 この術は死者を蘇らせ操る便利な術と思われているが、本来の使い方は違う。敵側の人間を殺してから蘇らせ、体内に互乗起爆札を仕込んで敵陣営で爆発させるのだ。言ってしまえばゾンビ爆弾だが、そもそもの互乗起爆札もかなり厄介な術である。

 札が札を口寄せして連鎖的に爆発を続けるので、無限爆弾に近い。そのため術者は確実に爆死するというリスクがあるが、それも穢土転生でうまく処理できるからよく考えられていると思う。

 互乗起爆札も扉間の開発した術なので、彼がいかに合理性を重視し手段を選ばない人間かがよくわかる。読者から“卑劣様”というあだ名をつけられてしまっている扉間だが、それにも納得だ。

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