■ギャグ漫画家夫婦ならではのエピソードも?
ギャグ漫画家のうすた京介さんと妻・榊健滋さんも夫婦漫画家の一組だ。榊さんは現在ジャンプ+にて『深東京』を連載中の漫画家で、2017年4月から不定期公開の育児漫画では、自身の妊娠・出産、夫であるうすたさんの様子なども描いている。当時の榊さんは週刊連載を持っており、つわりや長期入院で休載をよぎなくされたが、無事出産後は互いのツイッターで読者などに報告や感謝を述べた。
ギャグ漫画家夫婦といえば、どちらも90年代から活躍し続ける『伝染るんです。』の吉田戦車さんと『おるちゅばんエビちゅ』の伊藤理佐さんもそうだ。伊藤さんが産休に入った際に『週刊文春』で連載していた読者コーナー『おんなの窓』を、夫の吉田さんがピンチヒッターとして『おとこの窓』を掲載。また、それぞれが育児生活を描いた『まんが親』、『おかあさんの扉』の両シリーズが人気となり、後に夫妻は妊娠・子育てなどで対談するほど育児漫画家としても知られるようになった。
WEBコミックを中心に活躍する横山了一さんも、育児漫画で知られる漫画家だ。横山さんは『戦国コミケ』や実録漫画などで人気となり、妻は漫画家の加藤マユミさん。出版社を擬人化した『飯田橋のふたばちゃん』は、原作・横山さん、作画・加藤さんが担当した夫妻の代表作だ。
他にも、『島耕作シリーズ』の弘兼憲史さんと『東京ラブストーリー』の柴門ふみさん、『C級さらりーまん講座』の山科けいすけさんと『少年アシベ』の森下裕美さん、『アウターゾーン』の光原伸さんと『WILD HALF』の浅美裕子さんなど、著名な漫画家同士の夫妻は多い。今回あらためて見てみると、ともに同じジャンルであったり、ジャンルが違っても絵柄が似ていたり、同じ画面(原稿)に絵が並んでも違和感がないことに気付かされる。
日本には「似た者夫婦」ということわざもあるように、夫婦は一緒に暮らすうち趣味や性格が似ていくのと同じように、互いの絵柄も近づいていくのかもしれない。