「弾幕が薄いぞ」とは『ガンダム』シリーズを代表するキャラ、ブライト・ノアの名言だ。
『機動戦士ガンダム』や次シリーズ『機動戦士Zガンダム』でも、似たような指示を出している辺り、ブライトの乗る戦艦の生存率の高さを支える重要な作戦なのかもしれない。
弾幕といえば、歴代『ガンダム』シリーズには戦艦顔負けの弾幕を張れる機体がいるのはご存じだろうか? 最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のガンダム・エアリアルも、11基のビットステイヴによる攻撃を披露しているが、今回の機体はその比ではない。そんな、ついついブライトにも勧めたくなる弾幕機体を3機紹介しよう。
■弾幕を通り越してもはや雨!ラスボスに相応しい強さのプロヴィデンスガンダム
まずはシリーズの完全新作となる劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の公開も決定した『機動戦士ガンダムSEED』から、ラスボスを務めたプロヴィデンスガンダムだ。『SEED』がファーストをオマージュした作品なこともあり、ジオングに似たカラーで、同じように終盤にポッと出てきた機体。
だが作中で魅せた圧倒的な性能と、パイロットのラウ・ル・クルーゼのキャラも相まって、高い人気のMSなのだ。
そのプロヴィデンスガンダムの特徴はやはり手裏剣のようなバックパックだろう。本機にはドラグーンシステムと言う、ファンネルに似たオールレンジ兵器が搭載されている。大型のドラグーン3基と小型ドラグーン8基の計11基となっているのだが、問題は各ドラグーンに設置されたビーム砲。
大型には9門、小型には2門のビーム砲が搭載されており、合計でなんと43門だ。
これが高速で移動しつつ360度あらゆる方向から攻撃してくるのだから、敵からしてみれば何とも理不尽極まりない。作中の描写からも、弾幕というより“雨”と言ったほうが適切かもしれない。
空間認識能力に長けるムウですら一方的に蹂躙され、ザフト軍のエリート、ディアッカに至ってはまさに瞬殺。
作中トップクラスの反応速度と機動力を持つキラとフリーダムですら、直撃を避けるのがやっとだった。レイダー・カラミティ・フォビドゥンの3機の攻撃も何とか捌いていたキラがこの有様だったのだから、1機のMSが持つ火力としては、歴代の『ガンダム』シリーズでも屈指だろう。
■26門のメガ粒子砲に28機のチルドファンネル搭載の化け物MSゲーマルク!
『機動戦士ガンダムZZ』終盤で大暴れしたゲーマルクもプロヴィデンスに負けず劣らずの怪物だ。同世代では最強クラスのZZガンダムをも上回るジェネレータ出力を誇っており、その出力から繰り出される合計26門のメガ粒子砲は圧巻の一言。
さらには、マザーファンネルと言う大型のファンネルを搭載しており、マザーからさらに射出されるチルドファンネルが合計28基。
文字通り馬鹿げた火力のゲーマルクは、作中でもその実力を遺憾なく発揮した。まずは、量産機ながらハイスペックなドーベン・ウルフで編成されたスペース・ウルフ隊。
普通に正面から戦い、ラカン機には苦戦させられたもの、結局2機撃墜。
そしてプルツーの駆る大型MSクィン・マンサとも互角に渡り合った末に、プルスリーたちの量産型キュベレイをなんと10機撃墜してみせた。
量産型キュベレイと相打ちする形で大破したが、たった1機で高性能機で構成された部隊と互角に渡り合う様は、赤いカラーと合わせて「鬼」のよう。
だがゲーマルクにも弱点があり、それが長距離の移動能力の低さと、その火力ゆえに閉所での戦闘が苦手なところ。とはいえ、長距離移動は作中のようにガズエル・ガズアルでサポート、閉所に関しては場所を選べば問題ない。
万が一、ゲーマルクが数十機量産に成功していれば、ネオ・ジオン軍が戦局をひっくり返していたかもしれない。