■雨の日は無敵!? 弱さを認めて主人公をサポート
冨樫義博氏の漫画『幽☆遊☆白書』では炎を扱う飛影や植物を扱う蔵馬など、それぞれが特有の属性を持っていたが、同作での水属性担当のひとりは御手洗清志(みたらい きよし)。敵側から主人公側へと寝返り、サポートに回った「仙水編」のキーとなるキャラクターだ。
彼は人類抹殺を計画する仙水忍(せんすい しのぶ)の一味で、主人公・浦飯幽助と敵対する。しかし、実際は仙水や自分の行動に疑問を感じる部分もあり、最終的には幽助側に寝返ることとなる。
彼の能力は自身の血液を別の液体を混ぜることで、液状生物を生み出す「水兵(シーマン)」。混ぜる血液が多くなるほど強く、大きくなり、当然ながら物理攻撃は効かない。さらに、なかに取り込まれると呼吸ができず溺れてしまう。また、液状生物の内部は異空間であるため、時空を超越した攻撃でないと脱出もできない。作中のように、雨天時は最強とも呼べるほどポテンシャルを秘めた能力といえる。
人間の悪の所業を収めたビデオ「黒の章」を見たことで絶望し、それで仙水ファミリーの一員となった御手洗だが、もともとは普通の中学生。次元刀の能力に目覚めた桑原に切られ、死を覚悟していたところを桑原たちに助けられ改心。そこから幽助たちをサポートする側に回り、天沼月人とのゲーム対決では貴重な1勝まで獲得した。
“雨属性”とも言えるようなキャラではあるが、攻撃方法を始め水の似合う印象的なキャラクターのひとりだ。なお御手洗は仙水との戦い後に高校に進学し、環境問題や国際ボランティアへの道に進んだことがエピローグで語られている。やはりここでも水属性キャラは人を助ける運命に導かれているようだ。
今回ピックアップした以外にも、水属性のキャラクターは多く、『魔法騎士レイアース』の龍咲海、『烈火の炎』の水鏡凍季也などがこれにあたる。水属性キャラはやはりサポートタイプが多い一方で、意外と戦闘で活躍しているキャラクターも多く見られた。
近年のアニメでは演出も凝っているため、水属性のエフェクトは見ていて気持ちがいい。暑い夏を乗り切るために、視覚から涼しくなるのもいいかもしれない。