アニメの新シリーズ制作も発表され、現行の連載シリーズ『超神編』も好調な『キン肉マン』。その人気を支えるのは紛れもなく、次々に登場する魅力的な超人たちだろう。新シリーズに入るたびに多くの超人が登場する中、過去のキャラたちも活躍して物語を盛り上げる。
しかしそこはバトル漫画の宿命。敵の強さを際立たせるために、瞬殺されてしまう悲しみの超人たちが何人かいるのは事実。むしろその負けっぷりも魅力だったりする……。今回はそんな『キン肉マン』に登場した、勢い良く出ていった割に結果が伴わなかった超人たちを3人に絞って紹介したい。
■相手は大体強敵!大金星orかませの両極端な男ジェロニモ
まずは『キン肉マン』で唯一、人間から超人に成った伸びしろの塊、ジェロニモだ。超人に憧れる彼は『黄金のマスク編』にて初登場し、「悪魔六騎士」の一人サンシャインと激突する。圧倒的な実力差に苦戦するも、サンシャインの弱点を突き、アパッチのおたけびを浴びせ大金星を挙げた。だが、この後に現れた悪魔将軍に無謀にも挑んだことで、瞬殺されてしまったのだ。
これに関しては相手が悪すぎたというのもある。悪魔将軍は『キン肉マン』内でも最強候補の一人。元の実力差に加えてサンシャイン戦での疲労も考慮すると、歯が立たなくとも仕方がないだろう。
ちなみに、この悪魔将軍との戦いでスピンダブルアームを喰らった際に、なんとジェロニモ本人が、他の超人とともに自分の試合を観戦しているという作画ミスはあまりにも有名だろう。しかし、この件は2019年に発売された『学研の図鑑 キン肉マン 超人』にて補足されている。その真相は、スピンダブルアームの勢いがあまりにも凄かったために、ジェロニモが幽体離脱をしてしまったというものだ。何も出来ず、自分がボコボコにされる様をあえて見せつけるとは……悪魔将軍恐るべしといったところだ。
少し話が逸れたが、ジェロニモのかませ役はこれで終わらない。続く宇宙超人タッグ・トーナメント。試練を乗り越え、超人に生まれ変わったジェロニモは、テリーマンとタッグを組み参戦。前回撃破したサンシャインとアシュラマンのはぐれ悪魔コンビと激突するのだ。序盤こそジェロニモ大活躍で試合は進むが、徐々にはぐれ悪魔コンビの策略にはまり失速。一人戦うテリーマンの援護を怠るなど、経験の浅さを露呈し改良阿修羅バスターでノックアウトされてしまったのだ。
以降の『キン肉星王位争奪編』でもいいところがなく、人間時代のほうが強かったのではないか……ともささやかれるジェロニモ。だが、そんな彼も新シリーズ『超神編』では汚名返上とばかりに大活躍している。ジェロニモファンはぜひとも読んでほしい。
■雑魚は退場って扱いひどすぎ!ビッグボンバーズ
次はまったく見せ場がなかった悲しみの「ビッグボンバーズ」だ。カナディアンマンとスペシャルマンが組んだコンビで、『夢の超人タッグ編』にて参戦する。この両者、どちらもこの時点では登場期間こそ長いものの、活躍らしい活躍がまったくないため「ついに見せ場が!?」と期待した読者も多いだろう。
だが、先ほどのジェロニモ&テリーマンを一蹴したはぐれ悪魔超人コンビの乱入により、出番は奪われることになる。というのも、はぐれ悪魔超人コンビたちが出場する枠がトーナメントにはなかったため、ビッグボンバーズから出場枠を奪い取るために実力行使に出たからだ。
このときにアシュラマンから「弱体チームには大会参加をご遠慮願おうか!!」と完全な煽り文句を吐かれており、当然2人も激昂して挑発に乗ってしまう。そうして戦いを挑むわけだが、当然手も足も出ずあえなく地獄のコンビネーションでKO。トーナメント参加不可能となり、退場することになってしまった。
トーナメント中に瞬殺ならまだしも、完全にはぐれ悪魔超人コンビ乱入の割を食ってしまう形となったビッグボンバーズ。ただ、カナディアンマンだけは『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』にてそのポテンシャルをフルに発揮する活躍を見せた。……相方のスペシャルマンが輝く日は来るのか!?