おじいちゃんにとって孫は、実の娘や息子とはまた違った特別な可愛さがあるという。一方、孫にとっても、おじいちゃんは生まれた頃からそばにいて多くのことを教えてくれる人であり、人生にも影響を与える大きな存在だ。
漫画の世界でも、主人公たちに大きな影響を与えた祖父たちがいる。今回は、そんな偉大なおじいちゃんたちを、主人公である孫たちとの関係性がわかるほっこりエピソードとともに紹介する。
■『ドラえもん』の「のび太の祖父」
まずは『ドラえもん』に登場するのび太の「おじいちゃん」だ。名前は「のびる」という説もあるようだが、最新の『決定版ドラえもん大事典』(小学館)には「おじいちゃん」とだけ記されている。
のび太のおじいちゃんは、のび太が生まれる前に亡くなっており、漫画やアニメでもそこまで登場回数は多くない。よって、知らないという方も多いのではないだろうか。
のび太のおじいちゃんは、優しいおばあちゃんとは対照的に、まさに昭和のお父さん像を体現するような厳格な人だ。『夢まくらのおじいさん』(てんとう虫コミックス14巻)では、すでに亡くなっているにもかかわらず、のび助(のび太のお父さん)の枕元に立ち、孫ののび太に対する教育が甘いと厳しく注意している。さらには、生前の厳しい剣道の稽古シーンなども描かれていて、息子に対する態度はかなり怖い印象だ。
しかし、孫であるのび太に対する態度は真逆だった。タイムマシンで未来から来たのび太を自分の孫だとすんなり受け入れ「よくきた。ゆっくりしていきなさい」とお菓子を振る舞い、本当に嬉しそうにしている。厳格なおじいちゃんも、孫ののび太を前にしたらデレデレだった。
■『ドラゴンボール』の「孫悟空の祖父・孫悟飯」
次に紹介するのは『ドラゴンボール』に登場する孫悟空の「じいちゃん」だ。名前は「孫悟飯」。ご存じ、悟空の息子・悟飯は、実はじいちゃんの名前をもらっている。悟空は惑星ベジータ星から来たサイヤ人であり、悟空とじいちゃんには実際の血のつながりはなく、育ての親ということになる。
戦闘民族サイヤ人である悟空は、赤ん坊の頃は本当に凶暴で手が付けられなかった。しかし、悟空を拾ったじいちゃんが武術の達人であったこともあり、なんとか育てることができたのだ。
それでも、満月で大猿化した悟空には勝てず、残念ながら踏みつぶされて亡くなってしまう。物語の途中で、じいちゃんは一時的によみがえり悟空と再会を果たすのだが、作中あまり涙を見せない悟空が、めずらしく涙ぐんで喜ぶシーンが印象的だった。
■『ONE PIECE』の「モンキー・D・ガープ」
次に紹介するのが、『ONEPIECE』に登場するルフィの祖父「モンキー・D・ガープ」だ。海軍本部の中将で、先の時代では、海賊王ロジャーとも激闘を繰り広げ「海軍の英雄」とも呼ばれている。
性格は自由で豪快、かなり男気がある性格。孫のルフィ、そして息子である革命家ドラゴンは、ガープからの遺伝が強いのだろう。教育方針はかなりスパルタで、谷から突き落とすことはもちろん、夜のジャングルに放り出したり、風船にくくり付けて飛ばしたりなど、さすがのルフィですらトラウマになっているほどだ。
自分と同じ海兵の道を歩ませるために厳しく育てていたので、海賊になったルフィにはかなり激怒していた。しかしその後、海賊として名を上げていくルフィに対して「さすがわしの孫じゃ」と満面の笑みを見せ喜んでいる。「海軍の英雄」といえども、やはり孫には弱いようだ。