『こっち向いてよ向井くん』に『トリリオンゲーム』も… 2023年「夏ドラマ」で注目の“原作もの”3選の画像
トリリオンゲーム (1)/小学館

 7月に入りいよいよ夏ドラマの放送が開始されるが、今期は“原作あり”の作品が多いように見受けられる。原作があるドラマは、もちろんもとの作品を知らずとも楽しめるのだが、漫画や小説のあのシーンは映像でどう表現されているのか……など、両者を比べると作品の理解が深まるのも面白いところだ。

 今回はそんな2023夏ドラマの“原作もの”のなかから、筆者がとくに注目している作品を3つ紹介していこう。

■リアルな恋愛が描かれる『こっち向いてよ向井くん』

 7月12日(水)夜10時放送スタートの『こっち向いてよ向井くん』は、赤楚衛二さんが主演を務める恋愛ドラマである。原作は『FEEL YOUNG』(祥伝社)にて連載中の、ねむようこさんによる同名漫画だ。

 本作では、仕事ができて見た目も性格も雰囲気も良し、という“ザ・いい男”な35歳(ドラマでは33歳)・向井くんが、10年ぶりに恋をしてみようと奮闘する姿が描かれる。しかしこの向井くん、恋愛に対してはかなり不器用で、一生懸命アプローチしてはみるものの失敗してばかり。いまだに元カノを引きずっていることもあり、一向に恋が始まる気配がない……。

 こうしてあらすじを紹介するだけでなんとなくわかる通り、この作品は恋愛のキラキラした部分というよりは、“なんかうまくいかない”部分がメインになっている。向井くんをはじめとして、登場人物それぞれの心情や言動がリアルに描かれているので、グサグサ刺さったり共感したりする場面も多いはずだ。

 PR動画では赤楚さん演じる向井くんの姿がチラ見できるが、すでに思わず応援したくなる雰囲気を醸し出している。彼がさまざまな出会いを通じてどう変化していくのか、今から楽しみだ。

■凸凹コンビが億万長者を目指す!『トリリオンゲーム』

 7月14日(金)夜10時放送スタートの『トリリオンゲーム』は、『ビッグコミックスペリオール』(小学館)で連載されている同名漫画を原作とするドラマ。主演の目黒蓮さん(Snow Man)演じるハルと、佐野勇斗さん演じるその相棒・ガクが、1兆ドル(トリリオンダラー)を稼ぐという目標のため突き進んでいく物語である。

 原作漫画は『Dr. STONE』(集英社)の稲垣理一郎さんが原作、『男組』(小学館)の池上遼一さんが作画を担当しており、連載開始当初から“最強タッグ”による作品として話題を集めていた。大学を卒業したばかりのハルとガクがゼロから会社を立ち上げ、奇想天外なアイデアで成り上がっていく姿が、実に痛快に描かれている。

 本作の見どころといえばなんといっても、マネーゲームをテーマにしているからこそのゴージャス感! そして“世界一のワガママ男”であるハルのぶっ飛びっぷりだ。原作1話の時点で彼のペースに巻き込まれ、次はいったい何が起こるのかとワクワクさせられてしまう。そして、ハルとは正反対のパソコンオタク・ガクとの凸凹コンビ感もまた魅力的である。

 目黒さんと佐野さんが原作の名シーンをどう演じてくれるのかも楽しみだ。大胆不敵なハルと真面目なガク、正反対の最強タッグが引き起こす化学反応から目が離せそうにない!

  1. 1
  2. 2
  3. 3