数多くの超人が登場するゆでたまご(原作:嶋田隆司氏 作画:中井義則氏)による『キン肉マン』だが、「最強は誰なのか?」という論争がたびたび起こっている。筆者の少年時代には、悪魔将軍が最強キャラではないかと盛り上がっていた。そこで、『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されていた1979年から1987年において、悪魔将軍の最強超人説を検証してみよう。
■戦闘の達人であるゴールドマンと大魔王サタンが融合したボスキャラ
古代の超人界には“戦いの神”とも崇められているゴールドマンがおり、弟のシルバーマンとの対立から決闘をするのだが、両者が互いの首を斬り落として相打ちとなってしまった。
頭部だけとなったゴールドマンは、復讐のために大魔王サタンに魂を売って「悪魔六騎士」をベースとしたボディを分け与えられている。こうして、悪魔将軍が誕生した。
『キン肉マン』では、「黄金のマスク編」のボスキャラとして登場する。すでに「7人の悪魔超人編」で最強だったバッファローマンと、テリーマンに引き分けた実力者のアシュラマンを従えており、その風貌とネーミングからとてつもない威厳が漂っていた。
まあ、それもそのはずで、戦闘の達人と大魔王が融合しているのだから強いはずである。まさに悪魔超人界のボスキャラとしてふさわしいのが、悪魔将軍といえるだろう。
■超人強度は神様レベル? 凄かったのがボディ硬度の自在さ
悪魔将軍の超人強度は、1000万パワーや1500万パワーと設定に違いがある。キン肉マンと対決した際には、バッファローマンが「たしか悪魔将軍のパワーは1000万パワー そして このバッファローマンも1000万パワー……!!」とリングサイドで説明していた。
しかし、のちの公式設定では1500万パワーになっており、六騎士のパワーを全開にすれば6倍となるので9000万パワーにもなる。超人の神々が1億パワーなので、まさに最強の超人といえる強度を誇っている。さすがは将軍様だ。
だが、筆者的には強度よりも凄かったイメージがボディの硬度だ。最高の硬さを誇るダイヤモンドボディを持ちながら、自在に硬度を操れる。硬度0のスネーク・ボディはまさに軟体となり、どんなスープレックスホールドからも抜け出せるほど。
攻防において最強の硬さと柔軟さを併せ持つ悪魔将軍は、まさに完璧な強さを身につけているのが分かる。
ちなみに、『キン肉マン』で描かれた硬度の違いについては勉強にもなった。硬度10のダイヤモンドから、サファイア、エメラルド、オパールと硬度が下がっていく。悪魔将軍のおかげで、宝石の価値がなんとなく分かってきたものだ。社会人になって彼女にサファイアのネックレスをねだられたときは、こちらが軟体になってしまったが……。