『鬼滅の刃』や『ドラゴンボール』にも…一瞬でも“味方から敵に変貌した姿”が恐ろしすぎたキャラの画像
『鬼滅の刃』3巻[DVD](アニプレックス)

 漫画の主人公とともに活躍するキャラクターたちは、ときにして敵の策略や力の暴走によって邪悪な姿に変貌し、仲間たちに立ちはだかることがある。一瞬であったりと短い時間である場合も多いが、それはまさに脅威だ。そこで、味方でありながら恐ろしい姿を見せたキャラクターたちについて見ていこう。

■力強くもどこか危うい“鬼”の力…『鬼滅の刃』竈門禰豆子

 2016年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された、吾峠呼世晴氏によるバトル漫画『鬼滅の刃』。アニメでは「刀鍛冶の里編」が終了したばかりだが、続編である「柱稽古編」のアニメ化決定も発表され、ますます盛り上がりを見せている。

 作中では人々を脅かす“鬼”が登場し、主人公・竈門炭治郎らと死闘を繰り広げるのだが、物語冒頭に起こった悲しい事件により、鬼となってしまったのが炭治郎の妹・禰豆子だ。

 物語開始時は12歳の少女だったが、鬼に変貌した禰豆子は炭治郎までも襲ってしまう。だが、奇跡的に人としての理性や心を失わずにいられた彼女は、以降、口枷をつけて己を律しながら、兄とともに鬼から人間に戻る術を探すこととなる。

 作中ではたびたび“鬼”の力を使って炭治郎らとともに戦ってきた禰豆子だが、鬼としてさらに進化した姿を「遊郭編」にて披露した。

 十二鬼月の一人・堕姫との戦いのなかで、禰豆子はより濃い鬼の血に反応したことで、戦闘に適した姿へと急成長を果たす。肉体が大人に近付いただけでなく、右側頭部から生えた角や全身に浮かび上がった紋様など、より本格的な鬼の姿へと変貌。

 戦闘能力もさることながら、凄まじいのはその“再生能力”だ。四肢をもがれても即座に元通りになるその回復力は、堕姫を遥かに凌駕していた。

 しかし、その代償として鬼としての闘争本能がより強く働いてしまい、敵を退けたあとも戦うことをやめようとせず、危うく暴走しかけてしまう。

 兄・炭治郎の奮闘により、誰も傷つけずになんとかもとの姿に戻れたものの、もし制御できていなければ、堕姫と同様……あるいはそれ以上に厄介な“敵”になっていた可能性もある。幼く可憐な姿のなかに、鬼本来の苛烈な力を宿した、頼もしくもどこか恐ろしいヒロインキャラクターだ。

■すべては勝利のために…戦闘民族サイヤ人の“誇り高き王子”『ドラゴンボール』ベジータ

 1984年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載され、いまや日本を代表する国民的人気作品となったバトル漫画と言えば、鳥山明氏の代表作『ドラゴンボール』だ。

 本作には数多くの強敵が登場するのだが、なかでも主人公・孫悟空のライバルであり、ときには敵としても立ちはだかったキャラクターこそ、戦闘民族サイヤ人の王子・ベジータである。

 初登場時は孫悟空らと激闘を繰り広げたベジータだったが、数々の共闘を経て、やがては地球で暮らすようになり、その性格も徐々に丸くなっていく。

 そんな彼が再び敵として立ちはだかったのが「魔人ブウ編」でのこと。天下一武道会が開催されるなか、彼は新たなる敵・バビディの手によって洗脳され、武道会に訪れていた観客たちを無差別に殺害してしまう。

 スーパーサイヤ人独特の金色の髪の毛と、額に“M”が刻印された禍々しい形相が特徴的で、荒ぶる力で人々を蹂躙していく姿はまさに“悪”そのもの。

 その後、場所を変えて孫悟空と死闘を繰り広げるベジータだが、互いの拳をぶつけ合いつつ、真の気持ちをさらけ出していく。

 実はベジータは限界を超えた力を手にするため、あえてバビディの洗脳を受けていた。それもすべて、地球で家庭を持ち穏やかに暮らすなか、自分自身が戦士として堕落していくことが許せない……という、譲れぬプライドゆえの行動だったのだ。

 洗脳されてもなお、その誇り高い精神はまるで縛られておらず、自分のせいで復活してしまった魔人・ブウを単身止めにかかるなど、最後は悟空らの味方として身を挺して戦い抜いた。

 穏やかになったように見えて、その根底に眠る戦闘民族としての真の姿を見せつけた、力強さと恐ろしさを併せ持ったキャラクターだ。

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