■機械人間の現状が明かされた「惑星プロメシューム」

 ついに終着駅「惑星プロメシューム」へ到着した鉄郎とメーテル。しかし旅のなかで限りある命の尊さを学んできた鉄郎は、機械の体となることに迷いを抱いていた。そのうえでこの星の機械人間たちが無限の時間を浪費したり、退屈さに絶望して自ら命を絶ったりする現状を目の当たりにして、何が正しいのかあらためて考えるようになる。

 そんななか、メーテルがこの星の女王・プロメシュームの娘であり、機械帝国繁栄のため“勇気ある少年”を集めて旅をしていたと判明。これまでに多くの少年たちが、機械の身体を与えられる代わりに国の犠牲となっていたのだ。すべてを知った鉄郎は機械となることを拒絶するが、女王の命により処刑されそうになってしまう……。

 ただで機械の身体が手に入ると思いきや、裏にはとんでもない事実が隠されていたというわけだ。アニメの最終回は原作完結前に放送されたこともあり、原作と展開や設定が異なるのだが、その点は共通している。結果的に鉄郎は助かったのでよかったが、「ただほど高いものはない」と思わされた次第である。

 

 とにかくエピソードが多い『銀河鉄道999』だけに、読んだ人によって“行きたくない星”は千差万別だろう。逆にここだったら行ってみたいという星もあるはずだ。これを機会に作品を読み返してみると、また新たな発見があるかもしれない。

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