■豪華過ぎたスタッフならびにキャスト陣による「伝説回」

『ミンキーモモ』は制作陣が豪華なことでも有名だ。原案はアニメ『ポケットモンスター』の脚本家・首藤剛志さん、同じくアニポケ総監督の湯山邦彦さんが総監督を務めている。声優陣も、モモ役に『Dr.スランプ アラレちゃん』の則巻アラレなどを演じた小山茉美さん、シンドブック役に『ゲゲゲの鬼太郎』目玉おやじの田の中勇さん、フェナリナーサ国王役に『アンパンマン』ジャムおじさんなどの増岡弘さんといった実力派揃いだった。

 そんな同作において、とびきり異色だったのが第31話「よみがえった伝説」だ。これはテレビで放送されていた「ホレホレ島」の特集で、自分たちにそっくりな巨大石像を見たモモたちが、いざ島に向かうというエピソード。と、冒頭はほんわかとした入り方だが、島に着くとそこでは悪の組織・スルメッチ団の連中が乗っ取りを企んでおり、モモはミリタリー姿の大人の女性に変身して戦うことになる。

 実は島にある巨大石像は、“伝説の少女”として言い伝えられているモモのお母さんがはるか昔に島を救った際に建てたもの。再び島にピンチが訪れた際に「合身人形」として動かせるようになっており、モモたちは石像に隠された、ピンクアロー、クイーンピピル、シンドジャック、キングモッチャーの4機に搭乗し、合身人形「ミンキナーサ」へと合体するのだ。

 そこからは約10分に渡ってロボットバトルを展開。両肩からはミンキーミサイルを放ち、胸部からはミンキーサーベルを抜き出して攻撃。敵のスルメッチメカを相手に必死の攻防を広げるのだった。

 突如始まる本格的な合体ロボットバトルのこれらの元ネタは、実は1981年放送のロボットアニメ『戦国魔神ゴーショーグン』である。『ゴーショーグン』は同じ葦プロ作品であり、首藤さんと湯山さんもスタッフとして参加しており、モモ役の小山さんがヒロイン・レミー島田を演じるなど本作との繋がりも深い。モモたちの機体名も『ゴーショーグン』のキングアロー、ジャックナイト、クイーンローズをもじり、台詞や演出など随所にセルフパロディがあるうえ、ミンキナーサ合体時に流れた曲は同作の合体用BGM「トリプル・ドライブ」を流用するなどかなり自由な作風だった。

 それまでの魔法少女アニメとはあまりにも違う斬新な展開は、前話の次回予告から始まっており、「次回、戦国魔神……じゃなかった、魔法のプリンセスミンキーモモ、よみがえった伝説」「そこいらのロボットモノには負けないぞ! 何やらワクワクドキドキで“シーユーアゲイン”……なんちゃって、いいんですか? こんなこと言っちゃって」と『ゴーショーグン』のレミー島田テイスト。現場の楽しそうな雰囲気が伝わってくるようだった。

■まさかの『スパロボ』に参戦も

 そんなロボットアニメ×魔法少女アニメの異色回はそこから約40年後に再び話題に。2020年10月、ゲームアプリ『スーパーロボット大戦X-Ω(スパクロ)』に魔法少女アニメである『ミンキーモモ』が、合身人形「ミンキナーサ」で堂々とロボット枠として期間限定で参戦を果たしたからだ。

 本作は翌1983年放送の『魔法の天使クリィミーマミ』とともに第2期魔法少女時代を築くも、その間には打ち切りや再延長などさまざまな苦難を乗り越えた作品でもある。

 1991年には第2作『魔法のプリンセス ミンキーモモ(※第38話からタイトルに夢を抱きしめてを追加)』が放送され、海底に沈んだ夢と魔法の国「マリンナーサ」から2人目のミンキーモモが登場。ファンの間では両作を区別するため、天空のフェナリナーサから第1作目を「空モモ」、第2作目を「海モモ」と呼ぶようになった。

 前作とはさまざまな部分で繋がっていた第2作目では、親戚筋である前作モモが人間に生まれ変わった姿で登場するなど、ここでもちょっとしたセルフパロディが行われていたようだ。

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