『ミンキーモモ』魔法少女アニメなのにミサイルにソードも!? 合体ロボットアニメと融合した“遊び心満載”の伝説回とは?の画像
『魔法のプリンセス ミンキーモモ』

 今から40年以上も前の1982年、葦プロダクション制作のオリジナルテレビアニメとして『魔法のプリンセス ミンキーモモ』が放送された。同作は夢の国フェナリナーサのプリンセス・ミンキーモモが、魔法を使って地球の人々に夢と希望を取り戻させる物語。

 主人公は12歳の少女だが、ミンキーステッキをかざしながら魔法の呪文「ピピルマ ピピルマ プリリンパ~」を唱えると、婦警や看護師などさまざまな大人の女性(プロフェッショナル)に変身するいわば「魔法少女」だった。ところが、そんな同作は「魔法少女アニメ」でありながら、なぜか「ロボットアニメ」と見事に融合した伝説回がある。そこで今回は、問題の「伝説回」とともに、遊び心が満載だった『ミンキーモモ』をふり返ってみたいと思う。

■主人公は桃太郎? ピンクの髪を持つ夢の国のプリンセス

 1966年の『魔法使いサリー』からはじまった東映動画(現:東映アニメーション)制作「東映魔女っ子シリーズ」は、女児を中心に人気となったコンテンツだが、1981年に最終回を迎えた『魔法少女ララベル』で終了した。

 翌1982年に放映された葦プロ制作『ミンキーモモ』は、従来の魔法少女(魔女っ子)の概念を覆す脚本や美しい作画に加え、1980年代初頭の美少女ブームなどもあいまってか、メインターゲットの女児のみならず「おたく層(※当時はマニアなどと呼ばれていた)」からも絶大な人気を得た作品でもある。実際、ピンク色の髪に黄色の大きなリボン、ブカブカ気味なブーツと衣装のモモは今見ても愛らしい容姿だ。

 そんなモモにはフェナリナーサに実の両親がいながら、人間世界(地球)に来た際には子どものいない夫婦が「(モモは)最初から自分たちの子どもである」として受け入れてしまう。ちなみに、このかりそめの両親に子どもがいないことが、後半で大きな意味を持つことになる。

 また、主人公の名前が「モモ」であるのは『桃太郎』に由来しており、そのため彼女のおともとして同行する3匹の動物も、犬のシンドブック、子猿のモチャー、小鳥のピピルだった。

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