『NARUTO』マイト・ガイや『ARMS』高槻巌など、圧倒的な身体能力や体術で戦闘シーンを支配する漫画・アニメのキャラたちの画像
NARUTO-ナルト- 疾風伝 九尾掌握と因果なる邂逅の章 2 [DVD](アニプレックス)

 バトル漫画やアニメの世界では、常人にはない特異な能力を持つキャラクターが活躍することが多い。能力同士に相性があったり、攻略法を練って自分よりも強い能力者を倒したり、といったところが見どころになってくる。しかし、そんな設定を根底から覆す異質な存在がいることもある。それは身体能力に特化した“無能力者”だ。

 特別な能力を持たない代わりに、持って生まれた体質や絶え間ない努力によって肉体を鍛え上げ、能力者を小細工なしで叩きのめす。そんな展開があると目が離せなくなってしまう。そこで今回は、そんな極限までビルドアップされた身体能力だけで能力者を圧倒するキャラクターを紹介していきたい。

■『マッシュル-MASHLE-』マッシュ・バーンデッド

 甲本一氏による『マッシュル-MASHLE-』(集英社)は、『週刊少年ジャンプ』にて連載中で4月からはアニメも放映されている人気作品。その理由のひとつは、主人公のマッシュが魔法の世界を筋肉だけで乗り切ろうとするこれまでにない設定だろう。生まれながらに魔法が使えないマッシュは、レグロに拾われて育てられるが筋トレに明け暮れる毎日を過ごした結果、魔法を上回るほどの筋肉の力を手に入れた。

 相手の攻撃魔法を筋力で跳ね返し、高速で動くことで魔法のように瞬間移動、さらに一撃で相手の防御魔法も壊してしまうから「何だこの化け物のような強さは?」と思ってしまう。しかもホウキに乗らなければならない時は、自らが投げたホウキに飛び乗ってあたかも乗っているかのように見せていた。これには、『ドラゴンボール』で桃白白が石柱を投げて飛び乗ったシーンを思い出してしまった。

 マッシュは魔法の世界の常識を軽々と超えてくるので、魔法を使う者からすればかなり厄介だ。登場するキャラクターは魔法の世界のエリートが多く、他人を見下すような態度が鼻につく者ばかり。そんな天狗になっているキャラクターのプライドをへし折ってくれるマッシュの活躍は爽快で、シュールな味わいのギャグも相まって独特の世界観が成立している。

■『NARUTO -ナルト-』マイト・ガイ

 岸本斉史氏による『NARUTO-ナルト-』(集英社)では、忍術を使えない忍は落ちこぼれとされていた。そんな厳しい世界の中、身体能力だけで忍術を超える力を手に入れたキャラクターがいる。それがマイト・ガイだ。ガイは生まれつき忍術の才能に恵まれなかったが、それでも忍になることを諦めず、努力と根性で体術のスペシャリストとして上忍にまでなった男だ。

 普通の忍は自分の属性に合った忍術を何度も使用して、精度や威力を上げるための修行をするが、ガイの場合は違う。誰も真似することができないほどの数や量、厳しい内容での鍛錬によって、自らを追い詰めていく。それによって八門遁甲の陣を完成させ、誰もなし得なかった忍術を上回る体術を作り上げた。

 ガイの体術のすさまじさが証明されたのは、干柿鬼鮫との戦いだ。そこでガイが繰り出した「昼虎」は、見た目も威力もそれまで他のキャラクターが見せた体術とは段違いのものだった。しかも普通の忍術では返し技を食らうことは確実だったので、忍術を使わないガイだからこその勝利ともいえる。

 さらに圧巻だったのが、最強の忍とされるうちはマダラとの戦いで、ガイは自身の持つ最大の術「夜ガイ」によって、マダラの半身を吹き飛ばしている。これにはマダラも「体術において……オレの戦った者でお前の右に出る者は一人としておらん!!」と称賛するほどだった。

  1. 1
  2. 2