■常に着ている白外套は重さ37.5kg以上!? 『るろうに剣心 −明治剣客浪漫譚−』比古清十郎
和月伸宏氏による『るろうに剣心 −明治剣客浪漫譚−』に登場する比古清十郎は、かなり自分に厳しいキャラといえる。彼は主人公・剣心の師匠で、志々雄真実との戦いに行く前の弟子に奥義・天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)を伝授した。
その際、清十郎は飛天御剣流継承者が代々受け継ぐとされる白外套を外すのだが、そこには驚きの細工がしてあった。なんと重さ十貫の肩当てと筋肉を逆さに反らすバネが仕込まれており、着ているだけで刀を振るうことが難しい状態になってしまう。そもそも十貫とは約37.5kgなので、立っているのもやっとのはずである。
清十郎が白外套を脱いだ時には、さすがにあの剣心も冷や汗をかいていた。溢れる闘気、振るう刀の速度や威力はこれまでとは別格で、一撃で確実に殺される……そう感じさせられるほどである。そうして本気を見せた清十郎に影響を受け、剣心も奥義を習得することに成功。その過程で清十郎は大ダメージを負うことになるが、それも彼としては想定内であったような気がする。
その後の清十郎は負傷していたにもかかわらず、志々雄直属の特攻部隊“十本刀”の討伐に加勢。しかも白外套を身に付けたまま、高い実力を誇る不二と戦って完勝していた。
これを踏まえると、剣心への奥義伝授では実は手心が加えられていたのでは?とつい疑ってしまう。清十郎が白外套を脱いだのは奥義伝授のときだけなので、彼の本当の強さは計り知れないと言えるだろう。
制限をかけているキャラにはさまざまな理由があるが、それを外すと予想以上の強さになるのは同じだ。もし最初から制限などつけていなかったら?と想像するだけでワクワクしてしまう。