『週刊少年ジャンプ』(集英社)からは、これまで数多くの人気バトル漫画が生まれてきた。そんな人気作品に登場するキャラのなかには、わけあって自身にリミッターをかけている者も一定数存在する。本来の能力を出し切っていないにもかかわらず、戦闘シーンで活躍する彼ら。もしもすべてを解放して全力で戦ったらどうなるのかと、ついつい考えてしまう。
そこで今回は、“制限を外したら最強なのでは?”と思えるジャンプキャラを紹介していきたい。
■死と引き換えに圧倒的な力を発揮… 『NARUTO −ナルト−』マイト・ガイ
岸本斉史氏による『NARUTO −ナルト− 』には、数多くの忍者が登場する。そのなかでも“体術”に特化した忍が、木ノ葉隠れの里の上忍であるマイト・ガイだ。彼は忍術が不得意だった代わりに体術を極めようと決め、幼いころからひたすら修練を積んできた。
やがてガイは父親のダイから“八門遁甲”を伝授されるが、使用には制限をかけられていた。それは、この術の最終形態である“八門遁甲の陣”は、“自分の大切なものを死んでも守りぬく時”にしか使ってはいけないというもの。実際、ダイはガイが忍刀七人衆に襲われた際、この言葉通りに使用して息子を守るため命を落としていた。
この“八門遁甲”とは、体内にある“八門”と呼ばれるリミッターをチャクラで無理やり開くことで、一時的に常人離れした力を発揮できるようになる術だ。8つすべての門を開いた“八門遁甲の陣”は恐ろしいまでの効果を誇るものの、使用者は“ほぼ確実に死ぬ”とされている。
ダイが使用後に亡くなったことはすでに紹介したが、ガイもマダラの半身を吹き飛ばして追い詰めた際に死にかけている。しかしその後、ナルトにチャクラを分けてもらったおかげで生き永らえたので、術者やそのときの状況によって結果はさまざまのようだ。
血継限界などの特殊能力を持たないにもかかわらず、うちはマダラを追い詰めることができたガイ。もしも彼がこの術を発動するとき、確実に死なない方法を見つけられたとしたら、それだけで最強の忍になれたかもしれない。
■ただ戦いを楽しむために力を制限!? 『BLEACH』更木剣八
久保帯人氏による『BLEACH』にも、自分にあえて制限をかけているキャラがいる。それが護廷十三隊の十一番隊隊長・更木剣八だ。ほかの隊と比べても群を抜いた強さを誇る十一番隊には、隊長は代々最強の称号“剣八”の名を受け継ぐというしきたりがある。
これまでの剣八のなかでも最強といえるのが十一代目にあたる更木剣八で、野性的な強さだけで隊長までのぼり詰めたといっても過言ではない。しかも彼は相手にする死神や虚が弱すぎるからという理由で、普段は霊圧を食らう眼帯を常に身につけている。そうしないと、対戦相手をあっさりと倒してしまい、戦いを楽しめないという…….。そんな大胆不敵な彼の強さを制限しているのは、何も眼帯だけではない。
本来刀は両手で握って力を発揮する武器だが、更木は片手だけで振るう。つまりすべての力を使っていないのだ。しかも使用する斬魄刀は、解放されていない状態のままである。
斬魄刀と対話をしてその名前を知ることで、刀の力を解放させるのが隊士たちの常識。その第一段階は“始解”と呼ばれ、第二段階にあたる“卍解”を習得するのが隊長クラスでは当たり前である。しかし更木は終盤まで斬魄刀の能力を解放することなく、強敵を次々と薙ぎ払ってきた。
底なしの強さを持ち、戦えば戦うほど強くなっていった更木。そんな彼は“千年血戦篇”でついに卍解を習得したとき、巨大化の能力と高い防御力を持ち味とする強敵・ジェラルドを一瞬で真っ二つにするパワーを見せていた。そうした活躍からも、彼の強さは護廷十三隊でも最強クラスといえるだろう。
しかし力を解放した結果、そのあまりの強さに自身の肉体を損傷してしまう結果となっていたので、諸刃の剣のような強さでもある。