漫画のなかには、第1部、第2部のように物語の途中で一旦の区切りがある作品もある。もともとの構成か、あるいは事情があって連載が引き延ばされたか、その理由はそれぞれだが、第2部になった途端ガラリと毛色が変わる作品も。そこで今回は、第2部以降も面白かったが、第1部の終わりが特に秀逸だった漫画を紹介したい。
■やっぱり月とLの戦いのイメージが強い? 『DEATH NOTE』
大場つぐみ氏原作、小畑健氏作画の『DEATH NOTE』は、単行本7巻で主人公・夜神月と世界的な名探偵・Lとの戦いに決着がつく。
その結末は、月が死神のレムを利用してLの本名をデスノートに書かせることに成功し、勝利をおさめるというもの。当時はLの死に際のモノローグに出てきた「が……ま……」という言葉がどんな意味を持つのかの考察があふれ、話題を集めた。
続いて始まった第2部では、新キャラとしてLの後継者候補であるニアとメロが登場。立場や性格の違う2人がそれぞれ月を追い詰めるために戦った。
第2部は物語のスケールも大きくなり、よりさまざまな視点からの理解が必要になった。それゆえ内容を難しく感じた人や、第1部の月とLの直接対決が好きだったという人も多い。
しかし、第2部の結末はまさしく『DEATH NOTE』の物語全体をうまくまとめたものだった。第1部の終わり方が見事だったからこそ、その後の展開もより重厚なものとなっていったのではないだろうか。
■ファンのあいだで賛否両論… 『ふしぎ遊戯』
渡瀬悠宇氏による漫画『ふしぎ遊戯』も、2部構成の作品である。同作は、女子中学生・夕城美朱が“四神天地書”という書物を開いたことをきっかけに、古代中国に似た異世界に転移するところから始まる。彼女は元の世界に帰るため、朱雀の巫女となって“七星士”と呼ばれる仲間たちを探すことに……。
七星士を集め、さまざまな困難や仲間の死がありながらも、戦いに決着をつけた美朱たち。その後、現実世界に戻った美朱の前に四神天地書の中の世界の恋人・鬼宿の記憶を持つ青年・魏(たか)が現れる……というのが、第1部のラストだった。第2部では高校生になった美朱がまた本の世界へ。魏とともに“7つの石”を追って旅を始める。
第1部がキレイな終わり方をしただけに、ファンのあいだではそこで完結でよかったという声も少なくない。しかし各キャラについて掘り下げるエピソードが描かれるなど、第2部があったからこそ楽しめた部分もある。