■剣心の真の力をはかるために必要だった!?『るろうに剣心』比留間伍兵衛

 今年の7月にリメイクでのアニメ放送が決定している、和月伸宏氏の『るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚ー』(集英社)。1996年に最初にアニメ化されており、そこから27年も経っているのでどのように作り直されるのか?と注目されている。そんな『るろうに剣心』にも巨漢キャラが多く登場するが、はじめて登場してインパクトを残したのが比留間伍兵衛だった。

 初登場時の剣心は、世に名を轟かした“人斬り抜刀斎”ということを隠しているので、素性も強さも謎だらけ……そんなときに現れたのが伍兵衛だ。伍兵衛は巨漢のうえに剣術にも長けており、悪事に手を染めることをなんとも思わない完全な悪党である。

 剣心は小柄で線も細いので、伍兵衛からすれば戦えば一撃で決着がつくと思っていたはずだ。しかし、それを覆すかのごとく、剣心はあっさりと返り討ちにしてしまう。しかもこの戦いで剣心は、普段の優男のような印象から一変、まさに“人斬り”のような目をして刀を振るうのだ。伍兵衛は当て馬のように思われるかもしれないが、剣心の真の力を見せつけるのに良い相手だったといえるだろう。

「剣心がどれほど強いのか?」というのを読者に知ってもらうためには、巨漢、筋肉、戦闘術、悪党というのは外せない。そのいくつかの条件を満たして剣心に挑んだ伍兵衛に「敵ながらよくやった!」と、個人的には褒めたくもなってしまう。

 

 バトル漫画に巨漢キャラの登場は、絶対に外すことができない。突如現れた強そうな見た目の彼らがあまりにもあっさりと倒されるとき、その漫画の主人公がどれほど強いかの証明にもなるからだ。それに、なぜかどこか憎めないのも彼らの特徴かもしれない……。これからも、愛すべき巨漢キャラがたくさん登場してほしいと思う。

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