子役として活躍し、いまや国民的俳優として名を馳せる神木隆之介さん。2023年4月からは、NHKの連続テレビ小説『らんまん』で主演に抜擢。「日本の植物学の父」と呼ばれる植物学者・牧野富太郎さんをモデルにした槙野万太郎役を熱演している。
そんな神木さんは、声優としても多くの作品に出演している。今回は、ジブリ作品をはじめ、名だたるアニメ監督を虜にしてきた“声優”としての神木隆之介さんについて、存分に語っていこう。
■ジブリ作品に多数出演! 当時8歳で演じた坊の声
神木さんがはじめてジブリ作品に出演したのは、2001年公開の『千と千尋の神隠し』だった。
本作で「坊」を演じた神木さん。坊は湯婆婆の子どもで、大きな体をした赤ん坊だ。可愛らしくあどけない様子を見せる一方、赤ん坊らしく世間知らずでわがままな一面もある。
そんな坊を演じていた当時、神木さんは8歳だった。彼は当時のことを2022年4月22日に放送された『A-Studio+』に出演した際に振り返っていた。「たまに友達とかに“坊の声やってよ”とか言われるんですよ」なんて、現在でも友人から坊を無茶振りされるというほほえましいエピソードも明かしている。
2004年公開の『ハウルの動く城』で神木さんは、魔法使い・ハウルの弟子であるマルクルの声を担当した。マルクルもまたあどけない子どものキャラながら、意外としっかり者の性格をしており、神木さんの落ち着いた声がぴったりとハマっていたように思う。
次に神木さんがジブリ作品に登場したのは、2010年公開の『借りぐらしのアリエッティ』だった。17歳の彼が演じたのは、病弱な少年・翔。優しく落ち着いた声で翔を演じ、心のなかに闇を抱える彼の繊細な心理描写も見事に表現していた。
ちなみに神木さんは、2006年から『三鷹の森ジブリ美術館』の館内で上映されている短編作品『星をかった日』でも主人公の少年・ノナ役で出演していたり、2003年にスタジオジブリが日本語版の制作にかかわったフランスのアニメ映画『キリクと魔女』の主人公・キリク役の吹き替えで出演するなど、ジブリ作品においてなくてはならない声優の1人であることは間違いない。確かな演技力と、柔らかな人柄がにじみ出た彼の声は、ジブリ作品によく似合っているように思う。