筋金入りの洋楽好き! 荒木飛呂彦が命名した『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する“洋楽由来のキャラ名&スタンド名”の画像
『ジョジョの奇妙な冒険』2nd Season スターダストクルセイダース DVD-BOX 1/2 (第1-24話)

 5月26日、映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が公開となった。主人公の岸辺露伴は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの登場人物であり、彼の持つスタンド名は「ヘブンズ・ドアー(天国への扉)」。これは“フォークの神様”ことボブ・ディランの名曲「Knockin’ on Heaven’s Door/邦題:天国への扉」(1973)に由来している(『ジャンプスクエア』 2008年1月号より)。

 このように作者の荒木飛呂彦さんは筋金入りの洋楽好きとして知られており、『ジョジョ』シリーズに登場する多くのキャラクター名やスタンド名が洋楽から命名されている。そのなかから、荒木さん本人が由来について明かしているものについて紹介していきたいと思う。

■二人の主人公「ジョジョ」と「ディオ」は音楽界でも超大物

 シリーズを通して主人公の愛称として知られる「ジョジョ」と、もう一人の主人公と言える「ディオ」。本作の看板となるこの二つの名前の由来について、荒木さんは大槻ケンヂさんとの対談(『ジャンプノベル』1993年4月1日号掲載)のなかで明らかにしている。

 それによると「ジョジョ」の出元は、「ビートルズ」の名曲「ゲット・バック」(1969)で、この歌い出しに登場する「Jojo」という男性の名前から来ている。

 一方「ディオ」のほうは、イングランドを代表するハードロックバンド「レインボー」や「ブラック・サバス」の元ボーカルとして知られる、ロニー・ジェイムス・ディオから。“メタル界のゴッドファーザー”とも呼ばれる彼は、ブラック・サバス脱退後から2010年に死去するまで、自らの名前を冠したバンド「ディオ(DIO)」を率いた。

■作者一番のお気に入り「プリンス」から

 洋楽のなかでもとくにロックが好きだという荒木さんだが、2003年にCS番組『週刊少年「」( しゅうかんしょうねんかぎかっこ)』のインタビューで一番好きなアーティストについて聞かれた際、ミネアポリス・サウンドのパイオニアとうたわれる「プリンス」の名を挙げた。

 さらに2021年の「billboard JAPAN」のインタビューでは、プリンス愛とともに、『ジョジョ』シリーズに見られる背表紙の色やキャラクターのカラーリング、セリフ表記にシンボルマークに至るまで、作品が彼から受けた影響についてふんだんに語られている。

 そのプリンスの作品名が初めてつけられたのが、第5部「黄金の風」の主人公ジョルノ・ジョバァーナのスタンド名「ゴールド・エクスペリエンス」で、アルバム「The Gold Experience」(1995)からだった。

 さらに第8部「ジョジョリオン」主人公の東方定助のスタンド名「ソフト&ウェット」はデビューアルバム「フォー・ユー」(1978)収録の「Soft and Wet」、ヒロイン広瀬康穂のスタンド名「ペイズリー・パーク」はアルバム「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」(1985)収録の「Paisley Park」(この楽曲名はプリンスの独自レーベルの名前にもなっている)と、プリンスで統一されている。

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