■最弱キャラを見下すのは四天王の定番?『ジョジョの奇妙な冒険 第2部』

 最後に、荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険 第2部』より、「柱の男」を紹介したい。

「柱の男」は、『ジョジョ』の物語の原点となった石仮面を作り上げた“闇の種族”である。究極生命体になる目的を果たすために「エイジャの赤石」を求めて旅をしていた。第2部では明確な敵キャラが「柱の男」しか出てこず、カーズ、エシディシ、ワムウ、サンタナ、この強大な4人の敵との闘いを描いたものとなっている。

 このなかで、早々に物語から退場してしまうのがサンタナだ。ジョジョの機転を利かせた行動で石化し戦闘不能となってしまう。主人公のジョセフ・ジョースターが初めて対峙した「柱の男」とあってかなりの苦戦を強いられたものの、のちに復活するカーズ、エシディシ、ワムウの3人に比べれば実力不足だったのも事実……。

 その証拠にカーズがサンタナのことを「番犬のような存在 我らとは比較にならん!!」と明言しており、四天王キャラにありがちな“4人の中で最弱なキャラを見下す”が体現される形となったのである。

 その後もエシディシ、ワムウと順番に対峙していくジョセフだが、主要な敵キャラが少ない第2部はそれぞれの戦闘に強く焦点が当てられ、各キャラの魅力が色濃く出ているのが特徴だ。

 濃密な戦闘を終えてもまだのちに控えているキャラがいるだけに、さらなる展開が期待できるというこの四天王システムは、読者の心を掴んで離さない有用な魅せ方なのではないかと考えさせられたものである。

 

 4人の強キャラが登場すれば「なるほど四天王方式ね」と、無意識に察してしまうほどに漫画やアニメ好きに浸透した「四天王」。もはやテッパンの要素でありながらどこかワクワクしてしまうのは、その後の展開が盛り上がってゆくことが約束されているからではないだろうか。

 最強だろうと最弱だろうと盛り上がれる「四天王」という要素は、今後も見ている人の心を無条件に揺さぶるものであることは間違いないだろう。

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