『ONE PIECE』エネルの再登場はあるのか…月への到着は伏線? 扉絵シリーズから“その後”を考察の画像
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ONE PIECE』“空島編”においてルフィたちを苦しめた“神(ゴッド)・エネル”。空島において貴重なものである大地を我が物としていたが、唯一の天敵であったルフィに敗北後、方舟“マクシム”に乗り、一人、月へと旅立っていった。

 今回は、野心に溢れた人気キャラで再登場が期待されているエネルについて、今後の展開をエネルの月での様子が描かれた扉絵シリーズの内容を元に考察していきたいと思う。

■扉絵シリーズ「エネルのスペース大作戦」では何が起きた?

 考察を始める前に、全38話に及んだ扉絵シリーズの流れをざっくりと紹介しておこう。

 念願の月に到達したエネルは、月のクレーター内で負傷した小さな兵士・スペーシー中尉と出会う。意識を失った同胞たちのもとで嘆き悲しむスペーシー中尉だったが、突然背後から動物の姿をした宇宙海賊に襲われるのだ。

 エネルについでに襲い掛かってきた宇宙海賊を彼はあっさりと返り討ちにしたのも束の間、遠くで地下都市の発掘のため宇宙海賊が爆発を起こす。エネルは“私の大地”(ヴァース)を汚されたとして激昂し、宇宙海賊を施設ごと蹂躙するのである。

 その後、月の地下都市を発見したエネルは都市に向けてとりあえず放電。期せずして充電された小さなロボットとスペーシー中尉達に感謝されたエネルは、地下都市に記された謎の壁画に首をかしげながらも多くの部下を得て、月に新たなエネル軍団を築く、という物語になっている。

 一見すると、とにかくすぐに攻撃をしたり、到着後すぐ月を我が物とするあたりで“エネルらしさ”を垣間見れる扉絵シリーズとなっていたが、『ONE PIECE』本編がクライマックスとなっている今だからこそ多くのことが考察できる、実は伏線だらけのシリーズだったのだ。

■ビルカの「動力」が今後の展開のカギを握る?

 まず、『ONE PIECE』の世界における「電気」について説いておきたい。というのもルフィたちの冒険の中で、文明としての電気の描写が少ないように思えるのだ。

 例として挙げるならば、フランキーが作る機械の動力はすべて「コーラ」なのである。ほかにも、エースが登場していた一人乗りのボート“ストライカー”の動力は「炎」。海列車は「蒸気」と、機械的なものこそ登場しているが、「電気」を動力としているものの描写がほとんどないのだ。天才・ベガパンクの研究所がある島“エッグヘッド”においても、その動力は「火」であるとされている。

 対して、ビルカと呼ばれる月の地下都市が動き出した原因は、エネルが何気なく発した「電気」だったのである。なんらかの形で電力の供給が滞ったビルカは、エネルが来るまでその機能を停止し眠っていたわけだが、当時のビルカを機能させていたのもまた、同じく“ゴロゴロの実”の能力者だったのではないだろうか? 能力者が命を落とし、電気の供給が困難になったとあれば、ビルカの月での発展がそこで止まってしまったというのもうなずける。

 ロボットを大量生産し独自の「電気」という動力で栄えたビルカがエネルによって再興されたという事実は、今後明かされるであろう『ONE PIECE』の謎に包まれた歴史を紐解いていく中で、重要な要素になってゆくのではないだろうか。

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