荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)は、2022年1月から2023年4月にかけて第6部のアニメが放送され、おおいに盛り上がった。第6部には、これまでのシリーズ以上に複雑で恐ろしいスタンド使いが次々と登場。主人公の徐倫は、彼らの能力を攻略しながらラスボスへと迫っていく……。
能力と能力が激しくぶつかり合うようすを見ていると、なかには「こんな能力絶対に喰らいたくない」と思えるものもある。そこで今回は、もしも自分が第6部の舞台にいたとしたら喰らいたくないスタンド能力を紹介していきたい。
※以下には、コミック&TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』(第6部)の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
■知らないうちに身体が溶ける… DアンGの“ヨーヨーマッ”
懲罰房棟に収監されている、DアンGの持つスタンドはかなり変わっている。それが“ヨーヨーマッ”で、自動操縦型であるうえに自我まで持っているのだ。もちろんほかにも同じように自我を持つスタンドはあるが、ここまで自由に行動しておしゃべりをするスタンドは珍しい……しかもその能力がかなり厄介である。
それが、自身の唾液を付着させた相手を溶かしてしまうというもの。風や蚊を利用して攻撃することもあるので、見破るのはなかなかに難しい。実際、作中で徐倫は知らない間に体を溶かされてしまっていた。しかもその間ヨーヨーマッが、親しげに話しかけ続けてくるのも怖い……。
普通に話しかけられながら、知らず知らずのうちに自分の体が溶けていくので、恐怖も倍増するだろう。結局、この能力を解明できないと判断したアナスイは、ヨーヨーマッの追跡センサーにカエルの脳をつなげ、思考回路を奪うことで無効化していた。
標的になるとずっとつきまとわれるうえ、うっかり油断すると知らない間に身体を溶かされてしまう……そんなのまっぴらごめんである。
■サブリミナル効果でカタツムリ化!? ウェザー・リポートの“ヘビー・ウェザー”
記憶喪失の囚人ウェザー・リポートは、天候を操るスタンド能力である“ウェザー・リポート”を持っていた。しかし、のちに記憶を取り戻したことによって暴走し、“ヘビー・ウェザー”という危険な能力が発現してしまう。
この能力は“悪魔の虹”というサブリミナル効果を持つ虹を作り上げることで、それを見た動物や人間に強い暗示をかけることができる。その暗示とは、“自分はカタツムリになってしまう”というもの! そう思い込まされるだけならまだしも、実際に肉体もカタツムリへと変化していってしまうのだ。体の一部からカタツムリが出て来たかと思えば、目がやりのように飛び出し、殻が生えて這い回るまでに……いやいや、怖すぎる!
周囲の人間が次々とカタツムリ化していく様子は、まるでホラー映画の一幕のようだ。“見たら最後”という条件があるからこそ、もし自分がこの局面に立ったら……とつい想像してしまう。それに人間は見てはいけないとされるものほど、ついつい見てしまいたくなるものではないか? そういった意味で、人間の心理をうまくついた能力ともいえるだろう。