トプロ、アヤベ、オペラ…3人のウマ娘たちの奇跡を描く配信アニメ「ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP」開発者に聞く(1)の画像
© Cygames, Inc.
全ての写真を見る

配信アニメ「ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP」は、夢のクラシックレースの頂点に向けて切磋琢磨するナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーの様子が描かれた。この胸アツなストーリーに感動した人も多かったはず。今回、WEB声優MENでは、開発者インタビューを敢行! Cygames​のコンテンツディレクターとシナリオディレクターに、作品作りの想いを聞いた。

※ ※ ※

 

■ 多くの人に愛される“ウマ娘”を目指して■

 

回答者: Cygamesコンテンツディレクター、Cygamesシナリオディレクター

 

ーー配信アニメ「ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP」は、1999年のクラシックレースがモチーフとなっていますが、どのように取材や、シナリオ作りをされていったのでしょうか。

コンテンツディレクター:
前置きが長くなってしまうのですが、99年世代、特にナリタトップロードは大好きで、ゲームのリリース前からずっと描きたいなと思っていました。競走馬のナリタトップロードは競馬ファンになればなるほどその魅力が伝わってくる競走馬で、本当に多くの皆に愛された馬でした。GⅠ1勝馬ながらよく名馬100選に居並ぶのがその証左だと思います。ですので、ウマ娘プロジェクト発足時にはナリタトップロードは影も形もなかったのですが、なるべく早くウマ娘として出してその物語を届けたいという想いから、ゲーム1周年のタイミングで満を持して登場という形としました。そしてこの度、アニメで描く機会を頂けて本当に嬉しいです!
シナリオにおいては、この3強の持つ競走馬自身およびそれを取り囲む競馬サークルの背景を特に大切にし、なるべく丁寧にかみ砕くように心がけました。
また、制作に平行して昨年のNumberコラボを実施していた際に、渡辺薫彦さんがナリタトップロードについて語ってくださり、その悲喜こもごもの想いを何としても届けたい!と強く思っていました。

シナリオディレクター:
1999年のクラシック戦線は個人的には競馬史の中でもトップ10に入るくらいに好きなシーズンです。ですので、まずはあの時の自分が感じた興奮、ワクワクや感動を伝えられるように気合を入れて構成を練りました。その上で(これはどのウマ娘の物語を作る時もそうなのですが)様々な本やインタビュー記事などネットの情報、当時の新聞などを集められるだけ集めて再勉強しています。
史実においての3頭のサラブレッドが持っている境遇やエピソードはもちろん、それぞれの騎手の方の関係性やドラマも非常に熱く、それらを含めてウマ娘として再構築した1999年クラシック戦線の面白さを伝えられていたら嬉しいなと思っています。


ーーナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーの、本作でのそれぞれの観どころについてや、制作時のこだわり、おすすめポイントを教えてください。

コンテンツディレクター:
見どころとしては、先も述べた「3人のそれぞれの物語」を感じてもらえれば嬉しいです。3強という構造が魅力的に映る理由の1つに、「おのずと深堀りしたくなる」ということがあると思っています。
例えば強い・優れているのは誰だと考えた時に、多くの情報を収集してその特徴を比較検討しながら分析する必要があります。そして、その過程でそれぞれの背景を知りおのずと「物語」が紡がれていく。本作でも背景としてなるべく細かいエピソードも拾っているので、そういったところも楽しんで貰えると嬉しいです。
シーンとしては、菊花賞でオペラオーがトプロ(ナリタトップロード)のお尻を叩くシーンが好きですね。これも実際にパドックで固くなっていた渡辺騎手を四位騎手が叩くエピソードがあって、とても素敵なお話なので入れてもらいました。
そして、CygamesPicturesがとてもコミカルで可愛く、この後のレース本番に向けた気持ちの切り替えの助走ができる優れたアニメーションに仕上げて下さいました。

シナリオディレクター:
オペラオーはナルシストでコミカルなキャラとして描かれることが多いのですが、今回は絶対に世紀末覇王の名にふさわしい、カッコよくて強いオペラオーを描きたかったので、まずはそこを見て欲しいです。そして、彼女がその才能を示した皐月賞は、史実の競馬史においても重要なターニングポイントのひとつになったレースだと思いますので、関連するあのウマ娘との会話シーンも含めて楽しんでいただけたら幸いです。
トップロードはモチーフとなった実馬が沢山のファンから愛された名馬ですので、その愛され感をドラマの中でどう表現していくかを意識しながら作りました。
このアニメを観てくださった皆さんに「トプロ、愛おしい!」と思っていただけたら嬉しいです。
またトレーナーとの師弟関係というか、深い絆の部分もトプロを語るうえでは外せない注目ポイントですので、ぜひぜひチェックしてみてください。

 

ーーナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーのビジュアル面でこだわっているところを教えてください。

コンテンツディレクター:
ゲームの勝負服は書き込み量が多く、どうしてもアニメーションにした時に間引く必要があります。ですが、それぞれ意味を持たせているので、どうしても間引きづらいところも発生してしまいます。
無茶かなと思いつつ、キャラデザ監修の方と一緒にCygamesPicturesに意図を説明し“可能なら”での調整をお願いしたところ、しっかりと仕上げて下さったのでぜひ勝負服にもご注目ください。
また、これは完全にCygamesPicturesの素晴らしいお力なのですが、本当にレース中のアクションがカッコイイです! キャラクターのアクションやカメラワークはこれまでの他のウマ娘作品にはなかった新しい表現・スタイルですので、勝手な解釈ではありますが、スタジオさんがこだわったところかなと思います。

 

ーーアドマイヤベガの心の揺れや、キャラクターがふと変わっていく瞬間、彼女の苦悩を描いたシーンが切なかったです。競馬に詳しい方にもきっと有名であろうこのエピソードの制作秘話を教えてください。

シナリオディレクター:
ゲームの育成ストーリーのプロットも担当したのですが、アヤベ(アドマイヤベガ)に関しては「生まれながらの境遇」「オペラオー&トプロとの関係性から生まれる心情の変化」「史実のターニングポイントである菊花賞とその後をどう描くか」と処理すべきポイントが明確で、伝えるべきテーマもハッキリしていたので、実はまるで悩まずにプロットを作れました。
それを元に担当ライターがすごく雰囲気のよい最高のシナリオを書ききってくれたので、ゲームよりも映像面での表現が得意なアニメで、その雰囲気を活かせるようなシーン作りを意識しました。
尺の都合などでゲームシナリオとの違いはもちろんあるのですが、共通のテーマを描いているので、ゲーム版アヤベシナリオが好きな人にもぜひ楽しんでもらいたいです。

 

 

 

後編に続く!

 

INFORMATION

配信アニメ「ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP」


公式チャンネル ぱかチューブ! で全4話配信中
https://www.youtube.com/@UMAMUSUME_official

公式サイト
https://umamusume.jp/anime/roadtothetop/

© Cygames, Inc.

<CAST>
ナリタトップロード 中村カンナ
アドマイヤベガ   咲々木瞳
テイエムオペラオー 徳井青空 ほか
<STAFF>
原作 Cygames
監督 廖程芝
シナリオディレクター・シリーズ構成 小針哲也
キャラクターデザイン・総作画監督 山崎淳
キャラクターデザイン監修 清永みなみ
色彩設計 中原あゆみ
美術監督 金井眞悟・狹田修
撮影監督 宋思之
3D監督 中野祥典
編集 木村佳史子
音楽プロデューサー 内田哲也
音響監督 金崎貴臣
コンテンツディレクター 秋津琢磨
アニメーション制作 CygamesPictures

© Cygames, Inc.

 

全ての写真を見る