横山光輝さんによる『三国志』(潮出版社)は、歴史漫画に大きな貢献を果たしたといっても過言ではない。全60巻にも及ぶ、読みごたえ抜群の超大作だ。筆者の少年時代からすでに単行本が書店に並んでおり、光栄(現:コーエーテクモゲームス)のゲームで歴史好きとなっていた身としては、なんとしても全巻読破したかった(当時は無理だった)。
そんな横山版『三国志』には、人間とは思えない強さを誇る武将が数多く登場する。なかでも序盤から登場する関羽は仰天エピソードが多かったので、ここで紹介していこう。
■手刀で追手を軽く退治! 義弟張飛とのコンビは規格外の強さだった
序盤から、関羽と義弟の張飛は凄まじい強さを見せつける。片田舎の警察署長となっていた義兄の劉備が都の勅使に賄賂を送らなかったために処罰されそうになったことに怒り狂った張飛が勅使を痛めつけたため、彼ら3人は太守の兵から追われる身となってしまう。
追手は20人はいただろう……まったくものともせず関羽と張飛は迎え撃ち、特撮ヒーローのように崖上に登場してコテンパンにやっつけるのだ。しかも、関羽は手刀で追手を軽くなぎ倒していき、張飛は馬を持ち上げて投げつけるという鬼神の強さ。
まったくこんな2人が敵に回ったらとんでもないものだ。しかも、暴れまわる張飛の腕の長さと役人の身体が同じ程度……え? 張飛って身体が異様にデカイのでは!? 関羽も張飛と同じくらいの体格なので、まさに2人は規格外の強さといえるだろう。
追手を片付けた2人に対し、劉備も「手荒なマネはしなかったろうな」と言うのみ。う〜む、この2人が手荒な真似をしたら相手は死んじゃうんじゃ……。
■まさに鬼神の強さ! ゲームでは武力90以上の猛者たちを軽くあしらう
横山光輝さんの『三国志』は、コーエーのゲームでの能力値にも反映されている。そのうち武力でいえば関羽は呂布と張飛に次いで3番目となることが多く、100を最高として97という設定が多い。
そんな関羽は、漫画では董卓配下の猛将・華雄を酒が入っていたのにたやすく討ち取り、曹操陣営に一時的に身を潜めていたときには、袁紹配下の顔良、文醜という強敵をこちらも軽く撃破している。
ちなみにゲームでは彼らの武力は90以上となることが多く、顔良に関しては95を超える設定もあったほど。まさに鬼神の強さだ。だいたい味方が彼らにあしらわれてしまったところで、「それなら拙者がかたづけましょう」と宣言し、その通りにするのだからまたカッコいいではないか。
そういえば、関羽が曹操陣営から劉備のもとへと帰参するとき、道中で夏侯惇とも戦っていたな。夏侯惇は曹操軍古参の配下で、ゲームでも劉備陣営のライバルとなる優秀な武将だ。夏侯惇もゲームでは武力が90以上と強い。しかし関羽はそんな相手を、本気を出さずに軽くあしらっていた。張遼が割って入ったおかげで、夏侯惇は殺されずに済んだといえよう。
う〜ん、それにしても関羽強過ぎでしょ!