俳優など芸能人を声優に起用することが多い『スタジオジブリ作品』。ときには、メインキャストではなく、脇役として意外な女優たちが登場することもある。普段は演技で人々を魅了する彼女たちだが、“声”の演技も素晴らしく、作品に見事に溶け込んでおり「出演に気づかなかった」なんて声が挙がることも。そこで今回は『スタジオジブリ作品』に出演していた、意外な女優たちをご紹介していこう。
■『千と千尋の神隠し』荻野悠子役:沢口靖子
2001年に公開された『千と千尋の神隠し』に出演していたのは、連続ドラマシリーズ『科捜研の女』で知られる女優・沢口靖子さんだ。
沢口さんが演じていたのは、主人公・荻野千尋の母親である悠子だ。作中、千尋とともに不思議な世界へ迷い込んでいく悠子だが、八百万の神たちの食べものに口をつけたことで、湯婆婆に豚に姿を変えられてしまう。
ものを食べながら話すシーンでは、アフレコ現場で実際にフライドチキンを食べながらセリフを録っていたことを2022年10月に放送された「帰れマンデー見っけ隊!!」での企画で明かして周囲を驚かせていたが、このように体当たりの演技を見せた彼女の悠子役は高く評価されている。
清楚で上品なイメージがある沢口さんだが、本作で見せた“娘に少し冷たい母親”は印象的で、見事に作品に溶け込んでいたように思う。
■『ホーホケキョ となりの山田くん』しげの友人役:中村玉緒
1999年に公開された『ホーホケキョ となりの山田くん』。高畑勲監督による本作は、漫画家・いしいひさいちさんの4コマ漫画を原作に、“家族”をテーマにして描かれている。
そんな本作に出演していたのが、中村玉緒さんである。朝丘雪路さんと益岡徹さんがメインキャストを演じるなか、中村さんは山田一家の祖母・山野しげの友人を演じていた。
1953年に女優デビューを果たした中村さんは、1990年代からはバラエティー番組『明石家多国籍軍』などの出演をきっかけに、可愛らしい天然キャラで人気を博した。
そんな彼女が演じたしげの友人は、病気で入院しているメガネをかけた女性だった。しげが彼女の見舞いに訪れるシーンでの中村さんの優しく穏やかな声はあまりにキャラクターにマッチしており、彼女が演じていることに気づかなかったという人も多いようだ。