設定はどれもマイナーで複雑…渋くて強い『ガンダム』の「砂漠仕様」モビルスーツ3選! その性能は?の画像
ビッグコミックススペシャル『機動戦士ガンダム サンダーボルト 外伝』第3巻(小学館)
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 1979年のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』の放送以降、さまざまな作品が作られてきたガンダムシリーズ。宇宙での戦いを描いた同シリーズだが、作中にはさまざまなコンセプトを持ったモビルスーツ(MS)が登場しており、射撃に特化した機体や水中での活動に特化した機体など、それぞれの特性を活かした武器や戦い方が物語とともに描かれている。

 今回注目したいのは、シリーズで必ずと言っていいほど登場する「砂漠」での戦い。映像化されたガンダム作品、メカニックデザイン企画『MSV』や外伝漫画には「砂漠専用」のMSがいくつか登場してきたが、その性能はどのようなものだったのだろうか。

■トロピカルなデザート「ドム・トロピカルテストタイプ」

 ドムというとホバー移動が可能で堅牢なイメージが思い浮かぶ。そのホバー移動があるせいか、ガンダムゲームでは地形をある程度無視できるような特徴になっていることが多いが、実は砂漠戦では多くの不具合が発生していた。不具合は、おもに高温によるものだった。

 そんな中で砂漠や熱帯に対応した局地戦仕様の土台となったのが、この「ドム・トロピカルテストタイプ」だ。

 この「ドム・トロピカルテストタイプ」は『MSV』で登場した機体で、漫画『機動戦士ガンダム バンディエラ』やゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション Code Fairy』でもその姿が確認できる。

 通常のドムと比べて、ランドセルには大容量の冷却システムが内蔵されている。おそらく砂漠戦を想定したものであろう防塵処理も全体に施されている仕様だ。

 ザクやゲルググのように「デザート」とつくタイプのネーミングの機体は現在、設定上では、なぜか存在しない。『SDガンダム』シリーズでは「戦士デザートドム」が、ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』では「RFデザート・ドム」が登場しているが、もととなる「デザート・ドム」は、未だ詳細不明である。

 砂漠戦仕様のドムには他にも「ドム・トローペン」や「熱帯戦用ドム量産型」などが存在しているが、「デザート・ドム」が存在していないのは謎だ。

 一年戦争時に開発された局地戦仕様のドムのどれかが後に「デザート・ドム」と呼ばれるようになったのであろうか。それがもし本機だとすれば、「トロピカルデザート・ドム」という、なんとも美味しそうな名前になってしまうことになるだろう。

■ゲルググにも砂漠仕様があった「デザート・ゲルググ」

 続いて紹介する「デザート・ゲルググ」は「デザート・ドム」とは違って設定の存在する機体だが、初登場は『ZZ-MSV』と、意外と遅い。

 歴史上では一年戦争末期に開発されたとされているので、『機動戦士ガンダムZZ』時間軸としては、かなり古めのモビルスーツと言えるだろう。

 映像化もされており、『機動戦士ガンダムUC』で登場。作中ではトリントン基地攻撃部隊のオールズモビルの1機として、バイアラン・カスタムと交戦している姿が確認できる。

 通常のゲルググとの違いは防塵処理や冷却性強化の他に、ペリスコープの装備。これにより砂の中に潜航した際に、スコープだけを地上に出せ、隠密性が増している。

『機動戦士ガンダムUC』のバージョンでは、空中戦を想定して「ラケーテン・ガルデン」というロケットブースターが装備されている。

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