2022年に『耳をすませば』の実写映画が公開され、ジブリ映画の結末から10年後のストーリーが描かれ話題となった。このように物語の続きを知ることができると、キャラたちのその後が気になっていたファンは嬉しいものだろう。
実はジブリ作品の場合、「原作あり作品」においては原作を見ることで“その後”を知ることができる。そこで今回はスタジオジブリ作品の「原作あり作品」について、原作で描かれた“その後”のエピソードの数々をご紹介しよう。
■ハウルとソフィーが結婚! 『ハウルの動く城』のその後
2004年に公開された『ハウルの動く城』は、魔法使いのハウルと、ソフィー・ハッターという帽子屋の少女の物語だった。映画ではラストシーンでハウルとソフィーは心を通わせ、空を飛ぶ城に乗って旅立っていく様子が描かれた。
本作は、イギリスの作家であるダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの『ハウルの動く城シリーズ』を原作にしている。映画で描かれたのは、1作目にあたる『魔法使いハウルと火の悪魔』の内容となっていた。原作と設定の違いは多少あるものの、荒地の魔女によってソフィーが90歳の老婆にされてしまうことや、ハウルの城へソフィーが転がり込むところなどは映画でもそのまま描かれている。
そんな『ハウルの動く城』は全3巻のシリーズで発売されており、原作では映画の“その後”の物語を知ることができる。本シリーズは、3巻ともそれぞれ主人公が代わり、2巻『アブダラと空飛ぶ絨毯』では「絨毯商人・アブダラ」が、3巻『チャーメインと魔法の家』では「本好きの女の子チャーメイン」が主人公として描かれ、ハウルやソフィーなどお馴染みのキャラクターも作中に登場している。
2、3巻ではハウルたちがメインのストーリーではないものの、ハウルとソフィーが家族となり年齢を重ねている様子が描かれ、ファンにとっては嬉しい2人のエピソードを知ることができるだろう。また、原作では2人の子どもであるモーガンも生まれるのだが、ソフィーが驚きの出産を乗り越えているので、ぜひ原作で確かめてみてほしい。
■ジブリ屈指の名作は超大作!『風の谷のナウシカ』のその後
1984年公開の『風の谷のナウシカ』は、宮崎駿監督が1982年から1994年にかけて『アニメージュ』(徳間書店)で連載した漫画が原作となっている。
全7巻におよぶ原作コミックスの2巻中盤までの内容を映像化した映画版では、物語序盤の内容とは思えないほど重厚な物語が描かれており、その後にさらに深く濃いストーリーが待ち受けているとは想像がつかないほどだった。
映画版ではトルメキアがナウシカたちの住む“風の谷”など小国を侵攻していく物語が描かれていたが、原作ではトルメキアと土鬼諸侯国連合の二大勢力の争いが描かれている。
このように映画版ではさまざまな設定の変更もなされているので、原作では映画版では知り得なかった「腐海」や「蟲」の謎などについての真相も知ることができる。そして、物語の結末は、ナウシカの“衝撃的な決断”によって幕を下ろしているのも見どころの1つだ。
ナウシカたちの正体や、“火の7日間”より前の世界の話などが描かれている原作『風の谷のナウシカ』。本作の世界観にどっぷりと浸かりたい方は、ぜひ読んでみてほしい。