漫画やアニメ好きを公言する芸能人は多くいるが、愛読する漫画の実写作品に出演するという経験ができる人はそう多くはないだろう。
同じ作品を愛するファンとしてはうらやましすぎる、好きな漫画の実写化や好きなアニメへの声優としての出演。今回はそんな貴重な経験をした女優たちを紹介したい。
まずは、2015年公開の映画『ヒロイン失格』で主人公の松崎はとりを演じた桐谷美玲。
少女漫画のヒロインながら、主人公のはとりはパワフルで邪道なタイプ。作中ではことあるごとに変顔を披露しており、失恋したはとりが「もう恋はしない」と誓い坊主頭になることも。桐谷はこの作品に体当たりで挑んだ。
というのも、もともと桐谷は同作の大ファン。映画公式サイトでは「これほど思い出深く、大好きなマンガの実写版に参加させていただけたこと、ほんとに嬉しく思っています! 4年前に『ヒロイン失格』に出会い、はとりのマネをしながら変顔の練習をしていたのを思い出します。原作を読みながら、キュンキュンしたり、切なくなったり、爆笑した日のことを思い出しながら、映画を観た方にも同じような気持ちになってもらえるよう頑張って演じました」とコメントを発表した。
しかしこのキャスティングは単なるラッキーではなかったようで、作者の幸田もも子氏は「このマンガがすごい! WEB」のインタビューで、「私は桐谷美玲さんをはとりのイメージビジュアルに想定していた」と明かしていた。お互い知らずに両思い状態だったのだ。桐谷の作品にかける本気度は、振り切った演技で存分に原作者に伝わったことだろう。
続いては、かねてから漫画・ゲーム好きで知られている本田翼。2017年から3作公開されている荒川弘氏原作のダークファンタジー作品『鋼の錬金術師』でヒロインのウィンリィ・ロックベルを演じた。
本田もまた、もともと同作のファンで、コミックスやアニメだけでなく、ゲーム版までやり込んでいたようだ。しかしファンだからこそ「どれだけ人気のある作品かもわかっていたので、不安やプレッシャーのほうが大きかった」とインタビューで語っている。
最終的にはその気持ちを逆手にとって、ファンだからこそわかるウィンリィの魅力を伝えようと思い至ったようで、「自分だからこそできるウィンリィ」を演じようと気持ちを切り変えたようだ。
作中では原作通りの金髪ではなく茶髪でウィンリィを演じ、映画を見て驚いたファンも多かったようだが、それも「主人公のエドとかぶって兄妹に見えないように」「コスプレ感が出てしまうかも」と考えてのことだったようだ。
現場では同じく『ハガレン』ファンだった山田涼介ともハガレントークで盛り上がっていたようだ。