■取り出す暗器は変幻自在！ まるでマジシャン『らんま１／２』ムース

　高橋留美子氏による『らんま１／２』（小学館）にも暗器使いが登場する。それがシャンプーの幼馴染のムースで、「暗器のムース」という異名まで持つほどだ。その異名の通りに暗器を使わせたらムースの右に出るものはおらず、乱馬を苦しめる存在の１人でもある。

　衣類の中に隠された無数の暗器の中には、「どうやってそれをしまっているの？」という大きなモノも……。しかも、必要とした暗器を迷うことなく袖から出し入れすることから、他のキャラからは手品師扱いされることも。そんなキャラのせいであまり強くないと思われそうだが、そんなことはない。

　というのも、初登場時には女乱馬を圧倒してその実力を見せつけていたのだ。しかし、後に呪泉郷に落ちて水をかぶるとアヒルに変身するようになり、アルバイト生活が続いたことで弱体化してしまう。とはいえ、アヒルの状態になってもなお暗器を繰り出すことができるなど、暗器使いとしての腕は健在だった。

　ほとんどの場合、暗器使いは主人公やメインのキャラクターではない。正々堂々と戦う主人公たちと違って、相手の隙を突くことが戦い方の根幹である暗器使いは、ともすれば卑怯だと思われがちだ。しかし、他人と違う戦い方を目指し、暗器を使いこなすための修練を積んでいるからこそ、相手に対して効果のある攻撃につながるのだ。暗器使いは、バトル漫画において他者とは一線を画した魅力を持ったキャラクターだと言えるだろう。

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