■裏表が激しすぎる…!『ONE PIECE』プリン

 尾田栄一郎氏による『ONE PIECE』にも、記憶操作系のキャラが登場する。それが“メモメモの実”の能力者であるシャーロット・プリンだ。彼女は相手の脳内の記憶をフィルム状に抜き取り、それを自由に編集して改変することができる。

 プリンはビッグ・マムが企てたヴィンスモーク家抹殺のために動いており、計画の一環としてサンジと偽装結婚しようとしていた。そのなかで探りを入れようとしたサンジの姉・レイジュを銃撃したうえ、彼女の記憶を改変し隠蔽してみせる。偶然サンジが覗き見ていたためすべてがバレてしまったが、それがなければまんまと騙されていたかもしれない。

 彼女の驚くべきところは記憶改変の力だけでなく、表と裏の顔の使い分けにもある。超絶美人で、表向きは気立てが良く穏やかな性格の持ち主のプリン。しかしサンジに涙ながらに「私との結婚は……!!! 地獄にはさせませんよ゛!!!」と話していた一方、レイジュに本性を見せたときには「あのチンピラと私が結婚!!? するわけないでしょう!!?」と豹変していた。

 プリンの性格がそうなった要因には、小さいころに化け物扱いされ周囲からいじめられていた過去がある。そのうえ記憶改変という便利な能力を手に入れたことで、よりいっそう性格が歪んでしまったのかもしれない。

 ただ、作中、プリンはサンジの振る舞いによってだんだんと変わっていく。そんな彼女の姿は実にいじらしく、記憶に残る名シーンも多かった。今後も登場するであろうプリンの恋の行方も、密かに気になるところである。

 

 記憶を自在に改変する能力者は、キャラによってやり方は違うが、恐るべき存在であることには変わりない。今回紹介した3名はそれほど凶悪ではなかったが、使う人が使えば世界征服だってできてしまいそうである。

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