■アムロにも勝った「ドアンザク」
初代アニメ『機動戦士ガンダム』の伝説的なエピソードのひとつである第15話「ククルス・ドアンの島」でククルス・ドアンの搭乗するザクIIが、通称「ドアンザク」と呼ばれる機体。劇中ではたび重なる戦闘により、射撃武器はもちろんヒート・ホークすら失い、徒手空拳で戦うこととなった。
ザクマシンガンなどをフル装備したザクを相手に、タックルなどを駆使して肉薄し、正拳突きでコックピットを貫き見事に撃破している。
2022年公開の映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』では万全のアムロの乗ったガンダムを相手にヒート・ホークのみで戦い、鹵獲に成功している。
『ククルス・ドアンの島』のアムロは、時系列的にジャブロー攻防戦後と見られる。黒い三連星を打ち破り、戦闘経験も豊富になった頃である。そのアムロを相手にボロボロのザクで、正面から戦闘して勝ったドアンは、ガンダムシリーズ全てのパイロットの中でも最上位の腕前だと考えられる。射撃の腕は未知数だが、近接戦においては「モビルスーツの格闘技」と、ドアン本人も、ザクによる徒手空拳を表現している。自他ともに認める近接戦が強いザクであった。
宇宙世紀作品の『機動戦士ガンダム』シリーズの中でも、特に近接戦が強かったモビルスーツを、ガンダム系以外で3つピックアップしてみた。どのモビルスーツも、操縦しているのは凄腕のパイロットばかりである。モビルスーツパイロットの真価は、接近戦で発揮されるのかもしれない。