『ジョジョ』や『北斗の拳』にも登場! 修行したらマネできると思った…少年漫画につきものの“特殊な力を生み出す呼吸”3選の画像
『北斗の拳』究極版 第7巻(コアミックス)

 我々が普段、生きるうえで何気なく繰り返している“呼吸”。本日5月9日は「呼吸の日」と2007年に日本呼吸器学会により制定されており、呼吸には欠かせない“肺”の健康について理解を深める日として、全国各地でセミナーなどが開催されている。

 漫画のなかではときにして、この“呼吸”を極めることで人智を越えた凄まじい力を引き出す場面も登場する。近年では、吾峠呼世晴氏による『鬼滅の刃』で主人公・竈門炭治郎ら鬼殺隊士が使う呼吸法が人気を博していたが、このような誰しもが使えるからこそ、思わずマネしたくなる特殊な“呼吸”の数々について見ていこう。

■呼吸で生み出す“太陽”の生命エネルギー『ジョジョの奇妙な冒険』波紋法

 1986年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載が開始され、いまもなお新たな物語が紡がれ続けているのが、荒木飛呂彦氏による人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』だ。

 さまざまな時代が舞台となる本作だが、物語の始まりとなる第1部では主人公であるジョナサン・ジョースターが、宿敵・ディオをはじめ、“吸血鬼”や“屍生人”といった怪物たちと激闘を繰り広げていく。

 ジョナサンが生身で数々の怨敵と戦うために習得する技術こそ、特殊な“呼吸”によって生命エネルギーを生み出す、“波紋法”である。

 これはチベットを発祥とする秘術で、“仙道”とも呼ばれている特殊な呼吸法だ。その要諦は呼吸によって体内の血流をコントロールし、肉体内部に“波紋”を起こすことで太陽光と同じ波長のエネルギーを発生させる、というもの。この生命エネルギーは怪物たちへの効果が絶大で、彼らに対抗する唯一の手段とされている。

 攻撃はもちろんのこと、傷の治癒や解毒といった回復にも活用でき、極めることでさまざまな超常現象をコントロールすることができるのだ。

 また、生命エネルギーを生み出すことから肉体の老化が抑えられるといった作用もあるようで、作中では50歳でありながら、20代同様の見た目をした女性キャラクターも登場している。

「コォォォ」という独特の“呼吸”から繰り出される技の数々はインパクト大で、その呼吸をまねた読者も多いのではないだろうか。しかし、極めるためには数々の過酷な修行を乗り越える必要があり、残念ながら一朝一夕に身につくものではないのが残念なところ。

 戦いのための技術としてはもちろん、健全な肉体を維持するためにも使える、なんとも応用性の高い“呼吸”である。

■肉体の秘められた力を解放する北斗神拳奥義! 『北斗の拳』転龍呼吸法、闘勁呼法

 1983年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された、武論尊氏(原作)と原哲夫氏(作画)のタッグが送る格闘漫画の金字塔といえば『北斗の拳』である。

 世紀末の荒廃した世界を舞台にさまざまな“拳法”や“流派”が登場する本作だが、主人公・ケンシロウが受け継ぐ“北斗神拳”のなかにも、さまざまな“呼吸法”が存在する。

 ケンシロウが強敵・デビルリバースとの激闘のなかで見せたのが、己の肉体が持つ力を引き出す“転龍呼吸法”だ。

 普段、人間の肉体は30%の力しか使っていないとされているが、この呼吸法を用いることにより眠っている力を解き放ち、活用することができる。

 巨人サイズの体躯を誇るデビルリバースだが、呼吸を使いこなしたケンシロウにはいっさいの攻撃は通用せず、逆に“北斗七死星点”によって全身の秘孔を突かれ瀕死の状態になり、最終的には粉々に爆破されてしまった。

 また、ケンシロウの義兄であるトキも、作中で“呼吸法”を使いこなしている。病に肉体を侵され余命いくばくもない状態だったが、宿敵・ラオウとの決着をつけるため、“闘勁呼法”によって渾身の一撃を放った。

 この技は呼吸によってすべての力を拳に集約し、必殺の一撃を繰り出すというもの。その際に肉体が放つ闘気は凄まじく、周囲の大地に亀裂を走らせるほど。

 普段は穏やかな戦い方を得意とするトキだが、圧倒的な実力を持つラオウとの決着をつけるため、あえてこの呼吸により“剛の拳”を身につけた。

 一子相伝の暗殺拳である“北斗神拳”にとっては、“呼吸”も戦いのなかで活用できる闘法のひとつなのである。もし、自分の肉体の眠った力を引き出せたら……そんな思いを馳せてしまう呼吸法たちだ。

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