40周年『ゾイド』に『ビーストウォーズ』『ライジンオー』子どもたちが憧れた「動物×ロボット」の名作アニメ3選の画像
『絶対無敵ライジンオー』blu-rayBOX

 1983年に誕生したタカラトミーによる「ゾイド」が2023年で40周年を迎え、さまざまな企画が実施されている。そのひとつとして5月1日より、YouTube「タカラトミー公式ホビーチャンネル」で、1999年のアニメ『ゾイド-ZOIDZ-』の無料配信がスタートとなった。

『未来ロボダルタニアス』の「ダルタニアス」のように胸にライオンを取り入れたデザインを採用したロボットや、カブトムシやカンガルーなどをモチーフとしたメカが活躍する『イタダキマン』など、野生的な「動物」と無機質であるはずの「ロボット」が作り出す熱い物語は、いつも子どもたちの好奇心を刺激してきた。今回はそんなアニメの中からいくつかの作品を振り返りたい。

■アニメもオープニングもプラモも名作『ゾイド-ZOIDZ-』

 まずは冒頭で紹介したアニメ『ゾイド-ZOIDZ-』だ。ゾイドは長らく、プラモデルのみが展開されていたが、1999年より初めてアニメ化されたのが『ゾイド-ZOIDZ-』である。

 もともとのプラモデルもメカの造形が魅力的で、当時の子どもたちに大人気だったが、動物モチーフのロボットに人が乗り込んで操縦するという構図がやはりかっこいい。また人型のロボットは少なく、四足歩行だったり、二足歩行でも肉食恐竜のような二足歩行だったりする。そのため、ガンダムを始めとする他のロボットシリーズとは一味違う戦闘シーンが見られるのもアニメ『ゾイド-ZOIDZ-』の魅力だろう。

 ライガー系やウルフ系の、四足歩行タイプのゾイド同士の戦闘や、飛行ゾイド同士のドッグファイトは、スピーディーで見応え抜群。また、虎やゴリラなどの動物だけでなく、恐竜や虫といった生き物がベースのゾイドがあるのも面白い。『ゾイド-ZOIDZ-』作中で登場する恐竜型ゾイド「ジェノザウラー」の荷電粒子砲は迫力満点で、ライバルキャラとしての脅威も十二分に表現されている。

 ゾイドの原点であるプラモデルも、稼働プラモデルとなっている。自分で組み立てたプラモデルが動いたり光ったりするというのは大興奮もので、アニメを見てハマって、プラモデルでさらにハマっていくという、沼のようなコンテンツだ。

■まさかの大胆アレンジで大成功『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』

 続いては1997年に放送され大ヒットを記録したアニメ『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』。

 大型トラックやスポーツカーといった乗り物などが変形する「トランスフォーマー」から、動物や昆虫、恐竜といった生き物がロボットに変形して戦うようになった同作。2023年8月には実写映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の公開が控えており、4月から再放送がスタートするなど令和の時代に再び評価されているアニメだ。

 2020年Netflix独占配信の『トランスフォーマー:ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー』にもビースト戦士が登場しているものの、こちらは知名度があまり高くない。なので多くの視聴者にとっては、完結編である『超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズリターンズ』の最終回が放送された2005年以来、実に18年ぶりに『ビーストウォーズ』系トランスフォーマーを目にするのではないだろうか。

 ゴリラやサイやチーターといった野生的な動物たちが、無機質なロボへ変形していく機構は、何よりおもちゃとして面白い。なおアニメは3DCGにより表現されており、動きや表情が他のアニメのグラフィックとは一線を画していた。

 日本語吹き替え版では子安武人山口勝平高木渉千葉繁といったベテラン声優がキャラを担当しており、彼らによるアドリブが大部分を占めている。そのため、ドタバタギャグに乗せて、ヘビーでシリアスな展開が進んでいくという、かなりカオスでユニークな内容となっていたのも思い出に残っているという人も多いのではないだろうか。

 最新映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』にも、初代の『ビーストウォーズ』に登場するトランスフォーマーが多く登場する予定となっている。あの頃のファンにとっては待望の一作と言えるだろう。

■動物以外にも子ども心を刺激する要素満載『絶対無敵ライジンオー』

 最後は1991年のアニメ『絶対無敵ライジンオー』。後の『元気爆発ガンバルガー』『熱血最強ゴウザウラー』に続く「エルドラン」シリーズの第1作で、動物が巨大ロボットに変形合体するという点や、小学生が主人公ということで新たな時代を築いた名作だ。

「ライジンオー」に合体する3体のうち、2体が動物系のフォルムをしている。獣王はたてがみのあるオスライオンに、ユニコーンの角をはやしたようなデザイン。鳳王は、その名の通り、空想上の炎の鳥「鳳凰」のようなデザインだ。追加ロボットで「バクリュウドラゴン」も登場するが、こちらもドラゴン形態が動物的で、格好良くもかわいい良デザインだった。 

 動物的な要素や巨大ロボットだという点の他にも、学校が基地になっているという点も子ども心を刺激する設定。クラス全員で戦う、メイン視聴者層である小学生にぴったりの作品だった。

 以上3作品を紹介した、動物×ロボットの名作アニメたち。今も語られるだけに、インパクトとユニークさが凄いアニメたちである。それぞれシリーズものなので、関連作品は多いが、アナタは、どの作品が思い出深いだろうか。

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