■もはや定番? さまざまな漫画で登場する“粉塵爆発”

 続いては、さまざまな漫画で登場した“粉塵爆発”について。粉塵爆発とは、大気中に可燃性の粉塵が一定の濃度で舞っているとき、火花や静電気などでが引火して爆発が起こる現象のことをいう。恐ろしいのは、小麦粉などの身近な素材でも発生する点だろう。

 粉塵爆発は先述した『MASTERキートン』や、新谷かおる氏の『戦場ロマン・シリーズ』、荒川弘氏の『鋼の錬金術師』など、さまざまな作品に登場する。ありふれた材料を使って窮地から大逆転する展開は、漫画ではおおいに“映える”と言っていいだろう。

 現在、粉塵爆発は漫画ではよく見るものの、日常において話題になる機会はほとんどない。とはいえ、過去には粉塵爆発が大きな事故につながった事例もあるので気をつけたい。

 最後は、皆川亮二氏の『ARMS』第1巻に出てきた、“竹は絶縁体である”という知識。作中では、主人公・高槻涼が竹ぼうきをバラして絶縁体にし、スタン警棒を防ぐという機転を見せている。

 実際に発明家のエジソンは、フィラメントに日本の竹を用いたことで1,200時間もの間電球を光らせることに成功し、白熱電球を実用化した。

 なお、竹だけでなくゴムが絶縁体であることは、『ONE PIECE』のルフィがゴム人間のため電気に強い描写がたびたび出てくることや、『ポケットモンスター』のピカチュウの電流対策にロケット団がゴム製の物を使うなど、漫画やアニメでもよくあるシーンのためかなり有名だ。ちなみに、このほかガラスやプラスチックなども絶縁体である。

 

 漫画やアニメから学べる知識は多い。このほかにも作品で使用されているモチーフから、『美少女戦士セーラームーン』で星や鉱物の名前を覚えた人や、『幽☆遊☆白書』などで青龍・朱雀・白虎・玄武の四神を知った人も多いだろう。実際に使うことがあるにしろないにしろ「なるほど!」と思わせる豆知識は、我々をさらに楽しませてくれる。

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