■さまざまな商業展開は女性にターゲットを絞った結果
本作を支えたファンのほとんどが女性であるためか、後のビジュアルはキラキラしたイメージだったと筆者は記憶している。顕著な例として、当時リリースされたキャラクターソング集のジャケットイラストを、女性に人気の漫画家・みずき健氏が担当していた。
女性人気は声優業界にも及び、主要メンバーを演じた草尾毅や佐々木望などによる声優音楽ユニット「NG5」が結成。コンサートや握手会などに登場する彼らを求めて、女性ファンは競争率の激しいチケットを手に万感の思いを胸にイベントへとおもむいていたのである。そのためか、どの会場でも感極まった女性の「号泣」や「失神」が相次ぎ、当時のドキュメンタリー番組やニュースにも取り上げられるほどだった。
こうして大ブレイクに至った彼らの存在は、「元祖アイドル声優ユニット」のはしりとも称されるほどになっていく。
最終回こそきれいな終わり方であった本作だが、前作『機甲戦記ドラグナー』まで48話程度であったことを考えると間違いなく「打ち切り」であったことは否めないだろう。とはいえ、1974年に放送された『宇宙戦艦ヤマト』や1979年の『機動戦士ガンダム』なども視聴率低迷で打ち切りを経験しているが、ファンの力で注目が集まり、ついには社会的大ブームを巻き起こしている。
2018年には30周年記念として公式HPが公開されBlu-ray BOXも発売、2022年には5人それぞれの「御朱印帳」などが発売され、たびたびファンをざわつかせている。
最近は『聖闘士星矢』が実写映画化で話題となっているが、もしも『鎧伝サムライトルーパー』が現在にリバイバルされたのなら、当時を知らないファンもあの熱狂を目にすることができるのかもしれない。