『ドラえもん』は“のび太の夢の話”だった? 『クレヨンしんちゃん』や『となりのトトロ』も…漫画・アニメにまつわる“都市伝説の真相”とはの画像
てんとう虫コミックス『ドラえもん』(小学館)第7巻

 都市伝説やオカルトが大流行している昨今、アニメや漫画にまつわる都市伝説を耳にする機会も多い。そのなかから、誰もが一度は聞いたことがあるような有名な説をいくつかピックアップし、噂の出どころや真相について調査してみた。

■『ドラえもん』は「脳死状態ののび太が見ている夢だった」説

 1969年から連載が開始された、藤子・F・不二雄氏による『ドラえもん』。本作の最終回について、「のび太は実は交通事故で脳死状態になっていて、これまでのストーリーはすべてのび太が見ている夢だった」という都市伝説を聞いたことのある人は多いだろう。

 実際のところ、『ドラえもん』の連載終了は1991年。ドラえもんが未来へ帰るというラストが何パターンかあるが、これは雑誌連載やアニメ放送の区切りのために制作された便宜上の最終回であり、実質的な最終回ではないそうだ。

 調査してみたところ、この都市伝説が出回り始めたのは1986年頃で、子どもを中心に広まったという。当時連載していた小学館にも問い合わせが殺到し、作者が“そのような突然で不幸な終わり方にはしない”と正式にコメントを発表したというから、相当話題になったのだろう。噂の出どころは定かではないが、その年に作者が入院したことがきっかけではないかという説が有力なようだ。

 折しも1986年といえば、チャレンジャー号爆発事故やチェルノブイリ原発事故といった惨事が続いた年で、子どもにとっても潜在的な不安は高かったと考えられる。このような時代背景もまた、都市伝説を生むきっかけの一つなのかもしれない。

■『クレヨンしんちゃん』は「息子の死を受け入れられない母の妄想」説

 1992年にアニメ放送が開始された『クレヨンしんちゃん』。2009年に原作者である臼井儀人氏が滑落事故で死去したあとも放送は継続され、昨年アニメ化30周年を迎えた。

 ところで、「なぜ“クレヨン”なの?」と思ったことはないだろうか。この謎に絡む都市伝説が、「しんのすけは実は死んでいて、その死を受け入れられないみさえが、遺品のクレヨンで描き続けている妄想の話だから」というもの。よくできた設定だが、クレヨンの由来については出版元の双葉社が“クレヨンは幼稚園児にとって身近な道具であることから、しんのすけが幼稚園児であることを示すため”と明かしている。

 では、なぜこのような都市伝説が生まれたのか。ネットでは、作者の死後に遺稿が見つかったというニュースが出たあたりから「初期プロットが流出した」という噂が出回り始めたようだ。

 おそらくこの流れに先述の「のび太の夢」説や本作のタイトルへの疑問などが合わさり、「みさえ妄想説」に発展したのではないかと推測する。いわゆる“夢オチ”系の説は汎用性が高いし、脳死や妄想といったセンセーショナルな設定も人々の注意を引きやすい。噂が広まる要素としては十分ではないだろうか。

  1. 1
  2. 2