■どう考えても選択ミスだった…!?「断崖絶壁デスマッチ」のザ・魔雲天

 最後は、“七人の悪魔超人編”で、テリーマンとザ・魔雲天が対決した「断崖絶壁デスマッチ」だ。秩父連山の断崖絶壁にワイヤーロープでリングが吊り上げられているのだが、準備したスタッフは命がけだったろうな。本当に怖いリングで悪意の塊といえた。

 さて、リングにはテリーマンが先に登場するのだが、ザ・魔雲天の姿が見当たらない。実は、山だと思っていたのが、ザ・魔雲天だった。ええ? 巨大過ぎない? しかも、わざわざ振り返って登場したザ・魔雲天。みんながざわつくまで、じっと後ろ姿で耐えていたのかと思うと、ちょっと可愛いではないか。

 しかし、この巨大岩石超人は何を思ったのか、義足側を負傷して痛がるテリーマンに対し、トップロープからジャンプして攻撃する必殺技・マウンテンドロップを披露する。テリーマンがリングにめり込んでしまうほどの、かなりの衝撃だったな。

 というか、そんな巨体でジャンプなんてするんじゃねえ!と言ってやりたい。リングを支えるワイヤーロープが切れたらどうするんだ?……と思ったのも束の間、テリーマンにブレーン・バスターを喰らってザ・魔雲天は敗北してしまうのだが、そこで案の定、ワイヤーロープが切れてしまう。

「悪魔超人は タダでは死なん!」と負け惜しみのような捨て台詞を吐いていたザ・魔雲天だったが、いやお前が勝っていてもマウンテンドロップを再度使っていただろうから、結局ワイヤーロープが切れていたはず。まったく後先考えずに跳びまくるからこうなるんだな。どう考えてもリングの選択ミスだろう。

 

 さて、『キン肉マン』にはこれら以外にもアシュラマンの「ウェザー・デスマッチ」や悪魔将軍の「ダイヤモンドリング」、ブロッケンJr.とラーメンマンの「コンクリートリング」など、異様なリングで試合が行われていたものだ。

 こんな凶悪リングでも、果敢に挑んでいく正義超人はやっぱりカッコいいぞ!

  1. 1
  2. 2
  3. 3