昭和時代の少年たちの心を熱くしたのが、ゆでたまごの名作『キン肉マン』(集英社)だ。どれだけ傷ついても立ち上がる正義超人たちの友情パワーに、何度も感動させられた。そんな『キン肉マン』には、正義超人たちを苦しめたえげつない凶悪リングが登場している。そこで、とんでもない設定だった凶悪リングを3つ振り返ってみよう。
■恐るべしはスタッフか…リング外に落ちたら無数の剣に貫かれる「ソードデスマッチ」
まずは“夢の超人タッグ編”の決勝に登場した「ソードデスマッチ」だ。この試合はリング外に無数の剣板が敷き詰められており、万が一にもリングの外へ逃げたり落とされたりしようものなら串刺しになってしまう。
まさに“負けたほうが死ぬ”といわんばかりの、完全決着のデスマッチだ。しかも、決勝戦はヘル・ミッショネルズの申し出により、3本勝負となってしまう。「ソードデスマッチ」にするくらいなら1本勝負でいいんじゃないのか……。
まあ、それにしてもこのデスマッチを見事に味方につけたのが、ネプチューンマンだ。マグネット・パワーで左腕に剣板を引っつけ、キン肉マングレート(テリーマン)にラリアットを喰らわせようとする。これは反則じゃないのか……? そもそも完璧超人は凶器を使わないはずなのに、なぜリング外に置いてある凶器をわざわざ使うのだ!?
まったくとんだ食わせ者だ……と思っていたのだが、実はこのリングを用意するスタッフも相当凄い。鍛え上げられた超人の背中に突き刺さるほどの剣が20本以上も刺さった板を、軽々と設置していたのだから。後ろ姿は人間のように見えるのだが、恐るべしはスタッフか……。
■ギブアップした時点でやる必要ない?「ランバージャック・ゴンドラ・デスマッチ」
“夢の超人タッグ編”の準決勝で行われた「ランバージャック・ゴンドラ・デスマッチ」もとんでもないリングだった。
そもそも「ランバージャック・デスマッチ」とは、リング外をほかの選手が囲んで逃げ場をなくし、味方なら助けるが、敵なら容赦なくリング内へ押し戻すというもの。本作では、ネプチューンマンやバッファローマンが、キン肉マンの敵に回っていたものだ。
実はこのルール、実際のプロレスでも使用されている。往年のファンはご存じかもしれない。ただ、「ゴンドラ」が付くとなると別世界だ。
委員長によると、KOかギブアップした相手を先に天井のゴンドラに放り込むことで勝ちが決まるらしい。いやいや、ギブアップした時点で負けじゃん! しかもゴンドラがちょっと狭い。さすがにサンシャインは身体が大き過ぎるだろう……。